ケーキ破損原因特定できず 高島屋謝罪「責任は自社」
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ケーキが崩れる崩れないの話ではなく、クリスマスケーキのショートケーキがなくなるかもしれない。という話です。我々、クリスマスケーキ用のイチゴを毎年調達しますが、この時期は特に1週間くらい前から寝れないくらいに緊張します。というのも苺の調達が年々難しくなってきています。生産者は世代交代して新規就農者も増えているので生産者数は横ばいを維持していますが、気候変動や夏場が暑すぎて定植する時期が遅くなったり、新しい品種に切り替わったりで、23.24.25日を目指して栽培収穫が難しくなっています。昨年度から栃木県では〔とちおとめ〕から〔とちあいか〕に品種が全面的に切り替わってきています。
とちおとめ、と、とちあいか似て非なる物です。
酸味と甘さのバランスがよく香りも甘酸っぱいとちおとめは洋菓子向けにとても喜ばれる品種でサイズや形もショートケーキに重宝されます。とちあいかは酸味が弱く甘味と香りが強く、生クリームとの酸味のバランスは控えめです。また、品種の特徴として栽培した時に新規就農者には比較的栽培のし易い品種ではありながら、玉数がとれないという欠点があります。仮に30玉取れるとちおとめがあるとすると、とちあいかは16玉程度しか取れなかったりします。甘みを強く出すために摘葉、摘花、摘果して間引きます。玉数も少ない上に1番果収穫のタイミング次第では中休みに入り収穫出来なくなる時期がクリスマスシーズン被ってしまうと、一大産地の栃木県のイチゴが1月から最盛期を迎えることになれば、イチゴのショートケーキを用意できるお店も少なくなるかもしれません。
もちろん、屋内型完全水耕型の超高出力LEDで、甘み、酸味、香り、色、大きさまで完全に制御できる技術も開発されており、無菌に近い環境で同じ苗で2年から3年に亘って通期持続的に同じ苗からイチゴが収穫が出来る特許技術も実用化の目前まで来ています。もちろん無菌に近い環境を維持するためには収穫から摘葉、摘花、摘果も全自動ロボットが行います。
露路のイチゴ生産が難しくなる一方で、最新の水耕栽培型のイチゴ栽培はイチゴ業界に新しい革命を巻き起こしそうです。「これしきのことで会見??」とお思いになる方もいらっしゃるかと思いますが、百貨店という超がつく程のBtoCビジネスにとってはレピュテーションリスクは業績に直結する問題です。
SNSでの言論が加熱する中では、(プレスリリースが出ていないことを遺憾とする声も出ているほどですから)なんらかの説明・発信をせざるを得ないと判断したのでしょう。
その結果が「原因特定不可」というのは宜しいのかわかりませんが。世界で起こっていることを考えると、クリスマスにケーキが食べられるだけで感謝しないといけません。
20年ほど前にタイに駐在していました。レストランで注文と違った料理が来たり、飛行機が時間通りに出発しなかったりしても、タイ人は「Mai Penrai(Don’t Mind)」といって決して怒ったりしませんでした。
その理由を聞くと「今は自分が客の立場だが、逆の立場になる時もある。みんなが寛容になればみんなハッピー」みたいに言われました。
クリスマスに崩れたケーキが届いたことも時間が経てばいい思い出になりますよ。