英第3四半期GDP確報値、0.1%減 景気後退入りの可能性
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リセッション(景気後退)の定義は各国様々だが、欧米では一般的には「GDPが2四半期連続で減少」を使うことが多い。その意味で、少なくともテクニカルには英国はリセッション扱いの域に来ているということだろう。
一方で英国のインフレ率は欧州の中でも高く、年初は10%を越えていた。10月のCPIは4.3%まで下がってきているが、それでも依然高い状態が続いている。
BOE(英国の中央銀行)はインフレ加速が顕著になった2021年末から他国に先駆けて利上げを開始し、14回連続の利上げで政策金利を5.25%まで上げた後、9月以降は3回連続で据え置きしている。ただ仮に現状の経済の悲鳴/圧力に耐えきれず利下げに踏み切った場合、インフレが再燃して「リセッション×インフレ」のスタグフレーションに陥る可能性も否定できない。もしくは、インフレを恐れて高金利を堅持するあまり経済をさらに沈めてしまう逆のリスクシナリオもあり得る。
とはいえ、昨今のインフレはコロナ禍で供給制約があるなか金融/財政両面で緩和政策をし過ぎた当然の帰結という面もある。特に米英はしきりにインフレ原因をロシアのウクライナ侵攻の影響と主張するが、実際には侵攻前からインフレはすでに加速し始めていた。インフレで最も苦しむのは一般市民だが、その多くが近年の「インフレ政策」を支持していたこともしっかりと考えなければならないように思う。
■参考:イギリスの中央銀行 政策金利を3回連続で据え置き(2023年12月14日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231214/k10014288551000.html