【3分解説】ダイハツの大規模不正は、なぜ起きたのか
コメント
選択しているユーザー
会見内容ならびに各社の報道をみれば、今回の「原因(背景)」はおおむね特定されているのだろう。その上で、いまダイハツならびにトヨタに期待するのは、一日でも早く対象車種の再検査や、その結果・事実に基づいて適切な対応が行われること。
まずは既納/納車待ちの顧客を筆頭として、販売会社、さらにはまじめに働いてきた社員含めた、直接的なステークホルダーの方々に対してのケアを最優先してほしいと切に願う。
もちろん、さらなる追加調査と問題発見とその対応は引き続き必要。実際、この件で自動車メーカー全体に対する不信や疑念を生みだしてしまったといっても過言ではないとも思う。
ともすると、これまでお会いしてきたさまざまなメーカーの方々、とくに開発エンジニアの方々が彼らの努力と成果について嬉々として語る様子を思い起こすと、胸が締めつけられるような気持ちにもなってくる。
クルマ好きのための自動車メディアに携わるものとしては、ユーザーのためはもちろん、正しく取り組んでいる方のためにと、これからの希望が持てる、また信頼したくなるようなストーリーをも届けていかなければならないと思う次第。
とにもかくにも、前に進むしかないのだから。
注目のコメント
長年にわたる不正が行われていた背景に、短期の開発成果が求められる「極度のプレッシャー」や、「トヨタのプレッシャー」など、圧迫感が不正をもたらした、ということが述べられています。まだ詳細な中身はわかりませんので、今後、さらに詳しい内容がわかることを望みます。
記事にあるように、不正が行われていたことに経営層は直接関与していないとなると、プレッシャーが掛かる中で、現場が不正をすることで目標達成の方法をいわば「発明」したようなものだと言えるかもしれません。ではそれはなぜなのか。
いくつか考える必要がありますが、基本的には、目標数値を示すことと、目標を達成できることの間には能力が必要ですが、その差が大きく、改善して追いつく範囲を超えていたため、追いつくことを諦め、別な方法をとったということかなと思います。
「危機感がないから変わらないんだ」という言葉はよく見聞きしますが、ケアされることなく危機感だけ与えられるとこうなるのかもしれません。
従って、プレッシャーがいったいどういうもので、それに対してどういう意味づけが現場でなされていったのかという事について、その中身をより詳細に知りたいと思います。この手の話は必ず同じ結論:「極度のプレッシャー」。「極度」が何を意味するかはともかく、プレッシャーなしの会社が(先日別の記事でインタビューがあったリクルートを含め)あるとはとても思われない。だとすれば、その分かれ道はなんだろうと思います。その意味でも「なぜ」ではなく「どのようにして」をぜひ掘り下げてほしいと感じました。今回、2014年のところに切り込んだのは良かったと思います。
ダイハツは、押しも押されもせぬ軽自動車の雄です。日本の国民車である軽で確固たるポジションを持つだけでなく、トヨタやスバルへのOEM提供も行っています。そのダイハツで、あまりにも長く大規模な不正が発覚しました。
個人的に衝撃だったのは今回、「管理職の指示はなかった」という点です。そうなのだとしたら、一体どれだけ閉鎖的で、ブラックボックス化していたのか。そして34年も不正が行われていたのなら、現場を知るかつての担当者が管理職になって黙認した事はなかったのか。この点は会見で明確にされなかったので、引き続き気になるポイントです。
そして、大半のケースでは実際には法律に適合していたというのも根深い問題です。ダイハツは能力がなかったのではなく、能力はあったのに不正せざるを得なかった事になるからです。
問題の背景を、中西孝樹さんの明快な解説も交えてまとめました。
追記:上記コメントでダイハツのCMについて誤りがありました。失礼致しました。