【解説】日鉄が2兆円で「米の過去の名門」を買収した狙い
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中国の覇権が及ばず伸びる市場を追いかけないと未来はない、というメッセージが込められた素晴らしいコーポレートアクションだと感じました。
インドも対象地域になりそうだが、保護貿易の観点や商習慣、加えてグローバルで地産地消化が不可避な同業界のトレンドを考えると、自国内一貫生産の強みがあるアメリカ・USSが対象になったということでしょうか。
高炉が欲しい、ということではなくこの買収によってUSSが持つ商圏と2021年に買収した電炉子会社のビッグリバー、良質な鉄鉱石権益を手に入れました。
このような買収イベントがあると産業全体に対して思いを馳せる良い機会になるなと感じた次第。これを肴に酒が進みますね。
注目のコメント
このニュースを見たとき、もちろん2兆円という金額にも度肝を抜かれましたが、「USスチール」が世界27位だという事実にも驚きました。JPモルガンの生みの親であるジョン・ピアポント・モルガン氏や「鉄鋼王」と呼ばれたアンドリュー・カーネギー氏が創業し、過去には間違いなくアメリカ経済を支えたUSスチール。ですが、やはりどうしても「かつての名門」感はぬぐえません。なぜ今更高炉買収?2兆円も投じて大丈夫?という疑問に答えるべく解説記事を書きました。
In-Out、日本企業による海外企業の買収は最近明らかに目立ってきました。成功しているか、失敗しているかは分析が難しいのですが、比較的うまくいっている例が増えてきたように思います。にも関わらず、報道の印象としてはネガティヴよりの報道が多いような気もします。その辺りをうまく説明してくれているレポートが興味深い。
https://www.jeri.or.jp/survey/%E5%A4%A7%E5%9E%8B%E6%B5%B7%E5%A4%96%E4%BC%81%E6%A5%AD%E8%B2%B7%E5%8F%8E%E3%81%8B%E3%82%89%E8%A6%8B%E3%81%9F%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BC%81%E6%A5%AD%E3%81%AE%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%AB/八田さんが論文で出してくださっているような研究はかなり前から元KBS(現東工大)の井上先生などが出されていました。ただ、東芝のウェスティングハウス、日本郵政のトール、キリンのブラジル、あるいはNTTグループの海外など悲惨な例が多いことも事実。今回の買収は当然そのあたりの教訓を踏まえて入るのでしょうが、早速労働組合が揺さぶりをかける中(身売りを求めたのは先方なのに)、55ドルで収まるのか、先方の要求が一線を越えたときにやめられるか、あたりに注目したいと思います。