米パーミアン盆地の石油・ガス巡るM&A、今年は1000億ドル超に
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2021年から世界の原油生産で起きているのは、米国がどんどん原油生産を増やし、サウディアラビアやロシアは減産を進めているということです。
サウディアラビアとロシアは、生産調整によって、1バレル80ドルくらいの原油価格を維持しようとしています。
ロシアにとっては、ウクライナでの戦争を続けるために必須の財源確保でもあります。
それに対して、米国は原油価格が下がっても困ることはありません。国内の燃料価格が下がるのならむしろ望ましいくらいです。
ベネズエラに対する経済制裁を緩和したりしてまで、原油の供給量を増やし、1バレル70ドル、さらに60ドル台へと、原油価格を下げ続けようとしています。
米国が原油生産を増やすうえで、パーミアン盆地のシェールオイルは大きな部分を占めています。
結果としては、サウディアラビアとロシアが減産していることで、米国がシェールオイルを採掘しても採算がとれるようになっています。
総合的にいえば、現在は原油の国際市場価格はジリジリと下がり続け、たとえばイランなども貿易収入が減ってきています。
Permian to the rescue: Core US basin’s oil production growth to outpace rivals this year and next
http://www.bunkerportsnews.com/News.aspx?ElementId=22f5080e-797d-4210-bc5e-5871e3e1f5f022年8月から12ヶ月生産されている米国の陸上海上石油の生産性は5年前に比べ59%向上。これがいつまで続くか。水平掘削の速度は1400ft/日で頭打ち。資本効率改善は停滞気味で、最近はコスト増で悪化。
"キューブ(立方体)開発"と呼ばれる最新のシェール開発は、初期段階で周辺から立体的に開発するやり方で、コストはかかるが総石油回収率が高まると考えられている。過去数年間パーミヤンの60%がこの手法で開発。エクソンは従来法に比べ30-50%の価値を生み出していると推定。買収したパイオニアの土地に適用する。
「キューブ開発」の欠点は初期コストが高く、実稼働まで時間がかかりリスクが大きいこと。従って、石油メジャー向き。また、坑井間隔をかなり密にする必要があるが、やりすぎると生産性が劇的に低下する。過去に失敗事例がいくつかある。
資金と忍耐とリスク許容度を備えた開発者のみが試せる手法。COP28やってる側からこれだもんなあ・・・・人類は石油を燃やし続けてそのまま滅ぶ運命なのか。
いっそのこと、早く原油の枯渇が見えてくれた方が、人類は本気になる気がする。