「会社優先」男女格差生む 長時間労働2倍、昇進に影 - 日本経済新聞
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人間が会社に提供するアセットの計算式は、
①労働時間
②コンテンツ
③能率性
の積だと考えています。そして、賃金は、その人が存在したこと(①×②×③の積)が、どれだけ短・中・長期的な企業収益に貢献したかに応じて支払われるべきと思います。「強欲な仕事」は①の労働時間に比例するもの(飲み会、残業、休日の接待ゴルフ、etc)であり、貢献度合いに資する一つの指標となりうるでしょう。
一方で、②コンテンツと③能率性は別ものです。個人的に周囲の時短勤務の女性社員を見ると、業務の効率性(能率)が明らかに高いことを目の当たりにするシーンがよくあります。帰宅時間が決まっているため、たとえば、会議の進め方への工夫、メールの返信内容の簡潔さ、宿題にせずSlackでメンションされても自分がボールを保持しないor即時即決するスピード感など、時短スキルそのものが、周囲に与える好影響・コンテンツ化すべきものだと感じることがしばしば。強欲な仕事のプレイヤーは、時間があるがゆえに、こういう能率的な仕事はいつまでもできないでしょう。
また、コンテンツは、その人がこれまで人生で培った思考・知識・経験等に比例するため、現在の労働時間の寄与は少なくなります。上司や他の同僚が出せないアイデアを考案し、それがその部署の戦略・施策に反映され、それが結果に結びついたならば、これは確実に評価されるべきです。
色々書きましたが、労働時間に制約があることで、むしろそれが能率に寄与すること、そして、コンテンツそのものの価値に目を向けること、これらを淡々と評価すれば、労働時間の比重は下がり、男女格差は自ずと縮まると思います。ちょうど本日、大谷選手のメジャー史上最高契約のニュースを見て思ったのですが、スポーツの世界は男女格差が顕著で、ここには体格やそれに伴う体力の男女格差というふうに、女性には如何ともしがたい壁が立ちはだかっていると思います。一流アスリートのうち、男性のほうには出産によるキャリアの中断もなく、女性には出産で一時的なパフォーマンスの低下があるのもスポーツならではです。
それに比べれば、頭脳労働のほうは男女格差が小さく、ここでも出産によるキャリアの中断はあるものの、それは長くても1年程度のことです。
にもかかわらず、頭脳労働のほうでも男女格差が大きくなっているのはどうしてか。頭脳以外の体力面での競争が激しくなっているからであり、そうなるとスポーツと同じく男性のほうが有利です。
体力的にキツい仕事は、スポーツのように年俸制で実績主体の処遇をしていく。そうなっていくと、役員のように労働時間など関係のない競争で女性がハンデを負うことになってしまいます。労働時間を規制し、女性でも体力的についていける程度の競争になれば男女格差は縮まりますが、役員クラスにそこまでを求めるのは無理で、この論点はせいぜい労働時間が規定されている非役員クラスのみに留まる話でしょうね。
一部の天才を除き、やはり最高のパフォーマンスは費やした時間の多さによるところが大きいでしょうから。