【独白】150億円調達のMujin、不況の今こそ「勝負や」
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先週開催の国際ロボット展。私が今年参加した展示会の中でも一番混雑しており、「ロボット熱」をひしひしと感じました。
印象に残ったのが今回登場のMUJINブース。そこでデモ説明をしている方がこんなことを話していました。
「ロボット展に足を運んでいる皆さんだから説明しなくてもいいことですが、自動化は簡単ではありません」と明言。実際、ロボット導入は難しいのです。
今でも覚えているエピソードがあります。ある家電メーカーの部長の方が、20年ぶりに本格的工場を訪問したところ、「昔は自動化されていて人がほとんどいなかったのに、今(当時は2018年)は人だらけだ」と驚いていました。
製造業に詳しい東京大学の新宅純二郎さんに以前取材したところ、21世紀初頭の「二つ折りガラケー」くらいまでが量産時代の全盛期。
以降は、多品種少量になって、むしろ人間が作業することが増えて側面がある、と。
当時、カメラやプリンターなどの精密機器では「セル生産」と呼ばれ、U字型の生産ラインで、一人の作業者が複数の作業を一手に引き受ける生産が広がりました。ここで活躍する人は「多能工」と呼ばれ尊敬されています。
セル生産はソニー発で、広げたのはキヤノンと言われています。
ただし原点はヨーロッパとされています。なんでも分業するのは、人間性の消失。一人で最終製品まで組み上げることが人間性の回帰をもたらすという発想があったとか。
ただし、ヨーロッパでは職種別の労働組合のため、多能工を育成することが難しく、むしろ企業別組合が定着している日本企業でセル生産が定着しました。
とはいえ、日本では優秀な現場依存が逆に、人手不足対応はもとより、デジタル化や仕組み化の足かせになっているのも事実。
欧米のような割り切りと合理性を取り入れつつ、元来の現場力とうまくバランスをとっていく必要があると思っています。「そのコントローラーには、ファナックや安川電機、川崎重工業などのロボットを制御するソフトウエアが入っている。」とある通り、日本にはロボットメーカーが多くあり、Mujinは日本の得意産業との連動があったのが良かったのでしょうし、日本のロボット産業を更に発展させもするでしょうから、グローバルで頑張ってもらいたいです
MUJIN、昔から注目しているがやはり面白い!
冬の時代こそ強い企業が勝ち残るし、勝ち残るから知見量が蓄積できて、それが更なる強みとなる。特に米国進出の話で、日本と中国でやって来たから想像以上に勝てる、という言及はとても興味深いし確かにと思う点。
MUJINや、ティーチレスについては下記も併せて。
【現場発】静かな波紋を広げる、ファナックの「誤算」(2019年3月)
https://newspicks.com/news/3736667
【迫真】ユニクロ柳井が「一目惚れ」した男(2019年11月)
https://newspicks.com/news/4388188
75億円調達のロボットベンチャーMUJIN、「同時にMBO」の異例っぷり(2019年4月)
https://newspicks.com/news/3809663