【壮絶】空前の「アボカドブーム」が人間と森林を殺している
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近年、国内でもアボカド生産に取り組む農家が増えてきています。
今のところ国内自給率は1%にも満たないようですが。
記事の内容は事実なのでしょうし、ある大きくネガティブな側面を捉えているのでしょうが
アボカドの需要増が森林破壊を招いているからといってアボカドの非売運動などをやったとしても効果は薄いのではないかと思います。
アマゾンではコーヒーや大豆、肉牛のための森林破壊が進み続けているし、インドネシアではパーム油のために森は消えていっています。
それらの農産物は巡り巡って私たちの暮らしを「安価な食材」として支えてくれています。
アボカドが売れなかったとしても別の売れるもののために森林は破壊されるでしょう。
フェアトレードや認証制度などによって産地での正当な生産を行なっているところに需要が集まるようにすべきというのが正しい答えなのでしょうが
私たちは実際にスーパーで正しい答えのために100円高い食材を買うでしょうか?
野菜がちょっと高いだけでニュースが大騒ぎで消費者の「これじゃやっていけない」というコメントをとりに行くのに。。。
本気で取り組むのであれば貿易規制などをしっかり組む必要があるのでしょうが、結果として各家庭の食費が上がるような判断を政治ができるとは思えません。
なるべく産地が暮らしに近いものを買う消費行動は大事だと思いますが
長年その界隈に関わっていますが全体に与える影響は誤差の範囲です。
昨年、海外の農業関係者との意見交換会でブラジルからのメンバーが「あなたたちが納豆をあまり食べなければ森林破壊はだいぶ違う」と
冗談まじりに皮肉られましたが、それもあくまで酒の席での座興として流れていきました。
時々こういうニュースに触れて胸をちょっとだけ痛める。2日も経てば綺麗さっぱり忘れる。というのが現実の私たちです。少し頭を整理して書き直します。
アボカドの環境負荷の話題は2年に一度くらいの割合で取り上げられます。時にはメキシコ、時にはチリ、最近はアフリカ…と。
それら報道される問題は各地域の気候、社会背景(政治)、そして実務者である事業の運用とモラルに影響されるものです。個々のグラウンドデザインに欠陥があり、いわば疾患と言える側面を修正しなければ改善しない話を、過剰にアボカドに絡めて一般化して欲しくない、というのが内側の人間としての正直な心情です。
カルテルの問題は日本にも反社によるみかじめ料の問題は日常的に存在しています。まるで歌舞伎町で反社にみかじめ料支払ってる飲食店の話を聞いて、「日本の、新宿の飲食業界やべえ、真っ黒じゃん」と騒ぐことに、どこまで意味があるのか。
私がメキシコアボカドの報道で常に感じる苛立ちというのは、悪い側面を声高く報道しつつ、その対岸にあるエシカルな取り組みには殆ど詳細にフォーカスしていない点にあります。こういう報道があるから必要以上に不買や風評が起こる。現場には不法者もいれば、良心のある農家もいる。本来は並列に評価すべき話なのです。
例えば私自身共に事業をしているタンシタロの農家達は代々麻薬カルテルに脅迫され続けた歴史から自警団を形成することで自立と自由を勝ち取った住人ですが、彼らは森林伐採はおろか植樹によってエリア内の緑化比率を上げている独自の環境配慮型農業を進めてます。枯れ地だった果樹園にアボカドが植えられ、その敷地40-60%が植樹により松の木が茂るようになり野生動物が帰ってきた。そんな話を並行して報道してくれれば視聴者の印象はまた変わるでしょう。
でも、それはしない。それが、今の報道。
それは良心的な農業を推進する人たちを踏み躙るものであり、消費者の理解を歪ませる行為だと思います。
ちなみに、私の農園地域を含めミチョアカンは渡航注意喚起地域です。以前、日本の某主要メディアが取材をしていた際、現地の取材代理人(というサービスがある)が地域住人に「どこで地盤沈下や水の口渇が話題になってませんか?」と探し回っていたと現地民からのタレコミが来ました。
自らの足で出向くこともなく足を骨にして探さねば見つからない問題を"社会問題"として報道するのはどうなのか。彼らの考える社会問題の定義とは、何なのか。一考に値するテーマだと思います。甘くて美味しい「森のバター」、アボカド。
実は、不法な森林伐採、盗難、賄賂、脅迫、という血なまぐさい抗争をかいくぐって、届けられたものかもしれません。
アメリカ合衆国で、20年で3倍に跳ね上がったアボカド需要。
その需要の高さから、メキシコにおけるアボカド農園経営の収益性が高まったことで、無理にでも不法に森林を焼き払ってアボカド農園にする事態が横行しています。反対すれば市民が脅迫され、ひどければ誘拐される始末。
自然破壊だけでなく、市民の生活環境も破壊されているそうです。アボカドの裏にはこんな劣悪な生産環境があるとは知らず、憤りを覚えました。