頭の中、生成AIで復元 脳信号読み取り画像に
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脳波から人が視覚認識した内容を再現することに成功したという研究は、今年5月にNature誌で先駆けて発表されていましたが、国内でも同様の成果が得られたということです。
(Nature→https://www.nature.com/articles/s41593-023-01304-9)
ニューロ・マーケティングという観点では、これまで消費者が何を見て、どこに注目し、何を思ったのかを知るためには、これまで主観的なアンケート調査等でしか知ることができませんでした。
例えば「CM映像で最も記憶に残った部分はどこか」を調査する場合、こうしたアンケートでは、質問の聞き方による誘導や、個人の思い込みや嘘によるバイアスが入ってしまうことが指摘されており、必ずしも正確とは言いにくいところがあります。
そのため消費者心理が脳波から読み取れるとなれば、かなり自然に近い状態の消費者像を捉えることにつながり、マーケティングは大きな進化を遂げるはずです。
もちろん、この研究はまだ初期段階で、実際に見た映像を脳波から再帰・再構成するというもので、全くゼロの状態から脳波→映像化を実現したものではないため、マーケティング領域での実用化には、引き続きの研究が期待されるところです。
また、いざマーケティング目的での実用を考えたときに最も大きなハードルになるのが、脳波を測るためのデバイスです。fMRIなど病院にあるような大掛かりな設備を消費者側が保有することは現実的ではなく、一方でスマートウォッチのような非侵襲かつ簡易的なデバイスは浸透しているものの、脳波まで測定できるものは一般には存在していません。
これらハードルは多く存在していますが、消費者行動・消費者心理を読み解くための鍵となるような研究成果が、AIの進歩によって、近年多く生まれていることは間違いありません。思い浮かべた画像を読み取る技術は以前からありましたが、少量の手掛かりから生成AIで復元するところが新しいとのこと。
ブレインマシンインタフェースはかなり進んできました。しかし、実用化には脳計測のさらなる高解像度化が必要です。「人の脳活動を機能的磁気共鳴画像法(fMRI)で計測し、」
とあるとおり、かなり大掛かりな装置を必要とするので、「マインド・リーディングができてしまう!」と心配する必要はまだありません。ただ、記事にもある通り、医療・福祉分野での応用が期待されるほか、脳科学の研究をAIがブーストできる可能性もあります。