【解説】世界が熱狂する「やせ薬」とは何なのか
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実際に肥満の方も良く処方を希望されますが、痩せ型の女性が処方を希望される事も珍しくありません。当院では明確にBMIで処方可能ラインを区切っていますが、そういった方にも特に問診票での体重確認等なしに処方するクリニックも多くあります。
注目のコメント
GLP-1受容体作動薬服用経験者ですが、かなりの人に効いて短期間で何もせずにかなり体重は減ります。その代わり飲食量は減るし活力も低下してる感じです。なのでいまは服用してません。ただ食べる時に、急ぐと気持ち悪くなってた服用中の感覚が残ってて比較的ゆっくり食べるようになりました。いい薬だと思います。
SGLT2阻害薬はずっと服用してます。普通にガッツリ食べても太らなくなりました。おすすめです。近年、糖尿病の治療においてパラダイムシフトを起こしたのがSGLT-2阻害薬とこのGLP-1受容体作動薬です。
SGLT-2阻害薬は尿に糖分を排泄する作用の飲み薬です。その作用機序から肥満患者に対して体重減少効果をもたらすだけではなく、その後の臨床試験で心臓や腎臓を守る作用があることが次々と示され、瞬く間に種々のガイドラインでの推奨グレードが上がり、広く処方されるようになりました。
GLP-1受容体作動薬は主に毎日~週1回投与する注射薬で、こちらも同じく糖尿病の治療薬として承認されましたが、肥満患者の減量にも効果があることが示され、肥満治療薬としても広く使われるようになりました。さらに、最近では心血管の病気を防ぐ効果も示されており、今後の臨床試験で他の効果が示されるのではという期待感もあります。
問題点もいくつかあります。特に、「体重減少効果」を拡大解釈し、臨床試験で対象になっていないような患者に対して美容目的などで投与するケースもみられており、メリットよりも副作用のデメリットが上回る可能性があります。本論ではないが、Novo Nordiskという会社も、アルトマン氏の解任(そして復帰)で話題になったOpenAIと同じような法人・ガバナンス構造を持つ。
その観点で、今後どういう判断をするかに注目している。
下記リンクに詳しいが、Novo Nordisk財団が100%保有するNovo Holdings A/Sという会社が、種類株を活用することで上場法人であるNN A/Sの資本では28.1%の保有に過ぎないが、議決権の75.8%を持っている。
https://www.novonordisk.com/investors/stock-information/share-and-ownership-structure.html
NN財団の目的は二つ。上場法人のNN A/Sを含むNovo Groupの安定した商業化と研究活動を支えることと、科学的・人道的・社会的な目的を追求すること。
https://www.novonordisk.com/about/corporate-governance.html#shareholders
本記事にもあるように肥満自体は、様々な慢性疾患の原因となる。ただ、糖尿病ですでに困っている人に回らなかったり、肥満とダイエットのバランスで本質的に必要な人に行きにくくなっているという現状は、財団の目的やそれを現実化するためのガバナンス・保有構造から考えたときには矛盾しているように思う。
一方、医療に関しては、企業だけでなく当局の規制や規制に伴う事業環境も影響する。肥満も医療問題の一つだし、自由診療も認められていることではある。世界的に様々な医療規制構造があるなかで、自社でコントロールできない部分がある難しさもあろう。