【OpenAI事変】クーデター勢が傾倒した「哲学的思想」がヤバい
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実はこうした「哲学論争」はハイテクの世界で結構あります。少しレベルは低いですが有名なのはFacebook(当時)が2014年に買収したワッツアップ。創業者の1人、ジャン・コーンが旧ソ連時代のウクライナ出身で、個人情報を乱用された苦い経験が開発した動機で、もう1人の創業者ブライアン・アクトンと出会ったヤフーで2人はいかに広告がユーザーエクスペリエンスの質を下げ、個人情報をもてあそぶ「悪」であったかを心底感じたといいます。その意味でFacebookのビジネスモデルとは正反対だったのですが、驚くべき高い額と、買収後もワッツアップには広告を載せないことを保証して合意に至ります。しかし当然のことながら広告モデルに組み込まれ、2人ともやめています。
OpenAIのクーデターをめぐり、昨日の記事(https://newspicks.com/news/9209394/)は多くの方にご覧いただきましたが、日本時間日曜も事態は動き続け、解任を言い渡した取締役らの辞任、サム・アルトマンのCEO復帰の方向が見えて始めてきました。
一方で、なぜ、取締役会がこんな動きをしたのか。実は解任要求をしたメンバーらに共通する「哲学思想ムーブメント」の背景があったことも、徐々に明らかになりつつあります。
イリヤ・サツキーバーの直近の社内での立ち位置変化を含め、その「伏線」を追ったレポートです。AIが人類を滅ぼすのは絵空事でした。しかし、最近いくつかのシナリオが見えてきたのも確かです。
その一つは独裁者がAIを世論操作やサイバー攻撃に悪用して、AIが実践を重ねる中で自己進化が進み、いずれ制御不能に陥る、というものです。AI技術の発展だけでなく、社会のIT依存がさらに進むこともシナリオの条件でしょう。