【データで読み解く】円安×インバウンド消費の勝者を大解剖
コメント
注目のコメント
円安によって恩恵を受ける、と期待を寄せる声が多いのがインバウンド関連。ですが、政府が発表している訪日外国人の消費動向はヒアリングで情報を集めており、イマイチ実態を把握できません。
今回、NewsPicksでは三井住友カードの協力のもと、インバウンドが決済した匿名のデータを入手。彼らがどこでどれくらいお金を使っているかを分析しました。
見えてきたのはコロナ前後で大きく変わるインバウンドの消費の実態。儲かるところと儲からないところの差がはっきり現れています。
インバウンドを本当に日本経済の起爆剤にするのであれば、まず実態把握が必要。この記事が少しでもヒントになれば、と思います。円安もあり宿泊に多額のお金を使うアメリカ人が増加していて、北海道はほぼ回復。一方で他の地方観光はまだもどらないという結果に。色んなデータから見ると、肌感覚で感じていたものの答え合わせになって面白いですね。データからこれからの戦略を更に考えたいところ。
アメリカ人(だけでなくオーストラリアやヨーロッパも同様の傾向)は宿泊費にお金を使い、中国人は買い物に使うというのは、単に滞在日数の違いから来るものと推測しています。
欧米から飛行機で10時間以上かけて遥々日本へやって来て2泊3日で帰るということはありませんので。韓国からの訪日客数が日韓問題の発生前2017年の水準まで戻り最多となったものの1人当たり消費支出額が11万円と少ないのも短時間滞在が中心だから。
パンデミック前と比較しての違いで言えば、インバウンド客の1度の訪日旅行期間中に使う1人当たりの消費支出額が大きく増えたこと。以前は一番多かったオーストラリア人で24万円だったのが直近はフランス人の36万円と1.5倍になっています。平均額もかなり増えています。
これはよく言われている通り、①コロナ後のリベンジ消費、②円安、③インフレ率の格差の3つですが、「よーっし、強制的にじっとさせられていたパンデミックが明けたからパーッとやるぞーっ!」というリベンジ消費の意気込みと財布の緩みっぷりの効果はかなり大きいようです。
あるラグジュアリーホテルの総支配人に聞いたところ、今年は稼働率を6割に抑えて部屋単価を最低15万円に設定しており、その結果、売上は稼働率をパンパンにするより落ちるものの、人手不足の悩み解消と人件費の抑制により利益は2倍と過去最高の決算になる見込みとホクホク。
ただ、この戦略もリベンジ消費による効果が大きいとのことで、来年は通用しないんだとか。当人は、インバウンド客数は来年以降も増えるけど、消費単価は落ちると予想していました。そして、やはり国内の観光インフラと人手の不足を心配していました。