エクソソーム 美容目的などに利用 “将来的に規制を”学会提言
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このエクソソームは今のところ保険診療としては一切承認を受けていません。多くの分野で日本よりやや早く最新の医療を提供する米国でもそれは同じです。なぜなら、有効性と安全性の根拠が十分確立していないからです。
最新の技術で作られてはいるものの、墜落するリスクがまだ不確かな最新の航空機にあなたは搭乗しますか?
スピード感をもって開発を進めつつも、十分な安全性を確認してから客を乗せる航空機が保険診療です。このエクソソーム治療では、現実に死亡者も出ています。そしてこれは氷山の一角でしかありません。「最新の知見」という甘い言葉に騙されてはいけません。
エクソソームの将来的な臨床応用を否定するわけではなく、可能性のある治療法だと思いますが、現在日本で行われているエクソソーム治療は規制されて然るべきです。エクソソームは、組織の修復や再生を助ける働きを持っており、皮膚の老化や炎症を防ぐ事が期待されていますが、現時点ではこれを注射する事によって得られる効果をサポートする、根拠となる研究結果はありません。
昭和の時代にはにんにく注射が流行り、平成ではプラセンタ注射が流行り、令和ではエクソソーム注射です。これらの共通点は、十分な根拠がない点と、高価格な点です。
いずれも耳障りが良く、なんとなく効果がありそうと思わせる注射ですが、根拠のないものにお金を注ぎ込む必要はないと思います。
確かな有効性も安全性も明らかになっていないものに高価な金額をつける医療ビジネスに踊らされている可能性を常に考えておく必要があるでしょう。不安を煽るコメントばかりが散見されますが、今回の声明に関してはそこまで単純な話ではありません。
学会は利権がかなり絡んでおり、各々の立場で自身に有利な発言を行っています。本当に有効な治療法であっても、提言ひとつで国民に平等に行き渡らなくなる可能性もあります。1つのクリニックのずさんな保管方法による事象を取り上げて、エクソソームだけが悪いもののように論じる姿勢を繰り返す医師がいますが、多くの自由診療は各々の医師の裁量に任されているというのが前提です。なので「自由」診療なのです。エクソソーム以外でもその効果について国が公に認めていない治療でも、自由診療の世界では治療法として確立しているものもたくさんあります。
効果を実感し喜んでいる人がいるからこそ確立しているわけで、承認されていないことだけで全て否定することは非常に危険な考え方です。