【新教養】現代の最重要ワード「人新世」をゼロから学ぶ
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今日から5日間、新たな地質時代として提案されている「人新世」をテーマにした特集を掲載します。「気候変動」や「脱炭素」が今、ビジネスの流れを大きく変えつつあるように、私たちが地球との付き合い方を見直し、経済活動のあり方を考え直すきっかけになっていくであろう言葉です。
特集第1回のこの記事では、「人新世」という言葉・概念の歴史的経緯から最新の科学的根拠、意義に至るまで、石丸恵理さんによる力作インフォグラフィクスでゼロから解説します。
人新世は、1950年頃に始まった人類の「大加速」に伴って始まったとされます。記事中で紹介している大加速自体のデータも非常に興味深いのですが、取材の過程で一番衝撃を受けたのは、別府湾の地層中に見つかった人類の活動の痕跡が、「大加速」とほぼ時を同じくして増え始めたという事実でした。別府湾の人新世研究を率いた加さんの「地球史のタイムカプセル」という言葉は、決して誇張ではありません。
厚さ1メートルに満たない地層に、人類の大加速の証拠が詰まっている……。この驚きを、読者の皆さんと共有できたら嬉しいです。なぜ1950年頃からか。燃料消費からGDPに至るまであらゆる数値がその頃から非連続な冪乗カーブとなったから、そう書いてある。が、ではなぜそうなったのか、は書いてない。
答えはコンピューティング革命でしょう。ショックレーによる半導体実用化が1947年。その革命はAIとかDXとか時代により名前を変え続いているが、コンピュータの登場が人類の全産業、全生活を劇的に効率化させたから。1950年以降が人新世、第二次世界大戦が終わり、世界が復興へとアクセルを上げた時期です。大気汚染や自然破壊を省みず、経済成長をめざしてアクセルを踏みこみましたが、その後遺症が現在もつづいている。
世界がいらだち、戦争に走るのは、気候変動と人口増が影響しているのかもしれません。