【利益5兆円】なぜトヨタだけが異次元に儲かるのか
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疾風に勁草を知る──。
これは厳しい環境でこそ、本当に強いものかどうかが分かるということです。
厳しい経済環境になればなるほど、企業業績に差は生まれる。そして、厳しい環境を繰り返すにつれて企業間格差は開いていきます。
ではこうした企業が何をやっているかというと、例えば「改善活動」をきちんとやっています。これは、コストダウンであったり、不良品率の低減による顧客への安心感向上であったり。
イノベーションが必要な時代に、「カイゼン志向では限界だ」といわれています。
でも、改善をきちんとやっている企業が結局は伸びています。呼吸をするかのようにイノベーションとかDXとかパーパスとか言っている企業の方が決算シーズンに残念な発表をします。
やはり、当たり前のことをきっちりとやる、そのうえで従前の延長ではないビジネスに果敢にチャレンジする、これが経営の王道だと思っています。
特に、カイゼンをきちんとやっている会社は当然のことながらキャッシュが回るので、10年先のビジネスのタネをまいて育てようとし続けられます。でも、キャッシュがカツカツな会社は、苦しくなるとそうした種まきをやめてしまいます。イノベーションは1日にしてならず。良い時も苦しい時も続けることの大切さを物語っているのでしょう。
もう一つ、カイゼンに熱心な企業は、「真実は細部に宿る」または「凡事徹底」をやっているのかもしれません。やはり、経営は泥臭い。EVに出遅れたトヨタに未来はない、という見方が少し変化し始めたように思います。利益率でテスラを抜き、時価総額でも最高約4倍に開いた差が2倍にまで縮まっています。
円安を調整した暦年比較があるといいと思いました。ただ粗利率の改善は立派。ここでは触れられていませんが、もう一つの重要な要因は価格設定力、つまり「良いものを安く」ではなく「良いものを正当な価格で」販売する力(ブランド力を含め)ができてきたということではないでしょうか?