【新常識】21世紀最強の教養、「化学」を最速理解する
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19世紀後半から化学は圧倒的なインパクトを社会にもたらしているし、現代もそのインパクトが増え続けています。
化学は、化学だけではなく、物理学や生物学と結びつき、それらが数学によって処理されることで、現代の世界は動いています。
化学が世界の命運を容易に左右できるようになったのは、最初はおそらく1910年代、まずハーバー=ボッシュ法によるアンモニア合成でしょう。これで、工業的に、火薬と肥料を大量生産できるようになりました。
ハーバーとボッシュの化学者としての業績なくしては、第1次世界大戦、第2次世界大戦、といった規模の戦争はできませんでした。1950年に25億人だった世界の人口が、2000年に61億人まで増えることもありませんでした。
ドイツのIGや米国のデュポンのような化学企業が急台頭し、石油からプラスティックや化学繊維が生産されるようになりました。
それまで、日本人はカイコの繭から絹をつくって、それを米国に輸出すればストッキングの材料として買ってもらえるので、米国との貿易で経済が成り立っている国でした。
デュポンによって、天然絹は売れなくなり、日米関係も変わっていきました。
ガソリン自動車もタイヤは石油から作っており、他の部品にしても、だいたいは化学と物理学と数学の産物です。
EVではなくても、20世紀以来現代まで、化学が、物理学や生物学、そして根本である数学と並んで、現代の世界に不可欠であることは変わりありません。実は私、理系と呼ばれる領域出身です。
大学受験はバリバリの物理とコテコテの化学で戦いました。にもかかわらず、なんとなく「これからは生命科学の時代がやってくる!」と生物系学部に突撃。「DNA」が何かすら知らずに...
結果、物理も化学も生物も中途半端にかじってきました。
そんな自身の経歴からしても、あらゆる教養は「高校レベルで網羅できる」と思っています。
人によっては鬼門とされる理系とはいえども
物理のニュートン力学と電気をベースに、化学の周期表、イオン、気体液体固体とはなにか、できれば安定化とエネルギーの関係
これらの概念をイメージできるだけでも、あらゆるテクノロジーを説明することができます。
ただし、物理のエネルギー保存則や万有引力、慣性の法則、摩擦などなどは一般に知られています。
ところが、化学の電気陰性度、イオン化傾向、そして最外殻電子はほとんど知られていません。(これら化学の超重要な3つの概念はあえて使いませんでした)。超重要にもかかわらず。
したがって、化学の学び直しは、これから注目されると思います。
私自身は、生命科学について大学院まで進んで学んだものの、記者になってからは、それとは関係のない、半導体や電池、部品加工などの取材に費やしてきました。
それでも「専門性がある」と評価していただいたのは、そのベースとして高校レベルの物理と化学の知識があるからです。
だから本当に高校レベルでいいんです。