• 特集
  • 番組
  • トピックス
  • 学び
プレミアムを無料で体験

自由診療"やせ薬"の乱発で糖尿病患者が悲鳴

東洋経済オンライン
42
Picks
このまま本文を読む
本文を読む

コメント


注目のコメント

  • badge
    順天堂大学医学部総合診療科 准教授

    いろいろな考え方があると思いますが、糖尿病も肥満もどちらも心疾患のリスクを高めたり、一部の感染症の重症因子に含まれます。肥満が疾患として認知されないのは、差別的な観点や、これまで治療薬が無かった事に起因するでしょう。

    糖尿病も肥満も、遺伝的な要因やその他の原因によって発生しているものと、不摂生から起きているものがあります。どちらも治療対象として考えて良いものですが、肥満の捉え方については、医学的な考え方の整備が追いついていない状態と言えるでしょう。

    肥満も寿命を縮める要因の一つであり、治療薬が出た現在、将来的には糖尿病と同様に治療が必要な状態と考えられて行く可能性があります。

    ただし、自由診療で高額請求してお金を稼いでいる医療機関があるという点については、モラルを考えなければなりません。

    いずれにしても供給不足は問題であり、改善が求められます。


  • badge
    総合内科医 医学博士

    GLP-1受容体作動薬をはじめとした糖尿病の治療薬で体重減少効果のあるものは、近年の糖尿病治療や肥満の治療においてもトレンドになっており、様々なメリットが期待されています。注意すべき点は、「やせ薬」としての効果を示した元となってる臨床試験は、重度な肥満をもつ欧米人を対象にしたものであるということです。つまり、痩せる余地が大きい患者さんが対象になっているということあり、中肉中背の日本人が同様の効果を得られるかどうかはわかりません。むしろほとんど痩せる余地がない人に対して処方された場合、デメリットがメリットを上回る可能性が高まります。適切な使用が広がり、重要な薬が届くべき人に届くような仕組みを整える必要があります。


  • badge
    専修大学 商学部教授

    乱用といえるような使用が増加し必要な患者に医薬品が届かない問題も深刻ですが、以下に想定される問題がこれから発生するかもしれません。

    医薬品は、適応症ごとの認可を経て、その適応症の診断をもって、臨床試験で実証された用法・用量(使い方、投与量)で処方されて使用するのが原則としての使用法です。医薬品の挙動は、効く・効かない、副作用が出ない・現れるを含めて、個々の生体との相互作用によって個人差があります。

    医薬品の効果は処方した医師や医療機関によってなんら保証されるものではなく、同様に製薬企業によっても保証されません。しかしながら、確率的に発生する性格の副作用被害を受けた患者さんの救済のため、主として製薬企業が出資したファンドにより創設した医薬品副作用被害救済制度(健康被害に対するお見舞金制度)があります。だだそれによる救済補償は、臨床試験により効果と危険性(副作用)のバランスを判断し、適用を与えてもよいと薬務行政当局が判断し、認可を与えた使用法の範囲内に限られます。

    GLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)は、病気である肥満症(きわめて高度な肥満)に対して効能がとれているものであり、それ以外の自由診療においては、効果と副作用のバランスが公的機関により評価されていません。仮に、このような「医薬品を適正に使用したものではない方法」で使用して健康を害しても、「医薬品副作用被害救済制度」の適応は拒否されます。

    効能外処方では、医療機関は「患者の求めに応じた処方の全責任は患者自らが負う」といった内容の同意書を処方を希望する方から確実に得ています。何かあった際、「同意書にあるように強い希望に従った」と主張する際の根拠になります。

    GLP-1RAは、糖質などの炭水化物の摂取時に出るGLP-1という消化管ホルモンは膵臓β細胞に働きかけてインスリンを出させ、血糖値をコントロールする役割を持っているところ、GLP-1RAもこれと似た働きをします。加えて、摂食中枢(「脳」)にも作用し、消化管の機能を抑制することにより食欲を抑える作用があるといわれています。

    医薬品の副作用は、数百例~数千例の臨床試験の範囲で発見できず、市販後のモニタリングではじめて明らかになることは珍しくありません。効能が非常に小さい場合(単に痩せたいなど)、副作用リスクのデメリットは相対的に非常に高まります。


アプリをダウンロード

NewsPicks について

SNSアカウント


関連サービス


法人・団体向けサービス


その他


© Uzabase, Inc

マイニュースに代わり
フォローを今後利用しますか