米国債メルトダウン、ピークから46%安-ITバブルや金融危機並み
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リスクフリーとされる国債価格と金利の関係は単純で、金利1%の時に年利1%で発行された10年物国債は金利が4%に上がれば価格は75.7%に下がり、30年物国債は48.1%に下がります。30年物国債がピーク時から46%ダウンというのはそうした構図で起きたもの。
日本の国債に目を転じると、異次元緩和が始まった2013年度末に7年8カ月だった平均残存期間が昨年度末は9年2か月に延び、全残高の32.6%は10年超のもの。日本銀行の量的質的金融緩和で運用難に陥った金融機関が利回りの高い国債を買い求め、政府も低利を利して長めの国債を発行して毎年の国債発行額を少なく見せてきた結果です。金利が上がれば米国以上の問題が我が国でも起きるでしょう。日本経済が利上げに耐えられないとされる要因の一つです。リーマンショック後を見ていると5%台の米国債利回りはオー・マイ・ガッド(の安売りオンパレード)になるのでしょうが、前世紀に眼を転じますと、これが普通でした。
例えば、1990年代後半の米国政策金利は5%強で「安定」していました。その結果なのか、インフレ率は3%強から2%程度にまでゆるゆると下がっていき、長期金利も6~7%から、現在と同じレベルの4~5%辺りに、上下動を繰り返しつつ下がりました。
米国のエコノミストの方々には、インフレ率の抑制には時間がかかるという教訓を、過去のデータをみて勉強していただければありがたい。彼らのオー・マイ・ガッドで一番振り回されるのは、日本経済です。一時期は債権にお金が殺到してすごい価格になっていましたよね。やはり「上がり続ける」ものなどないのですね。今の金やドルも気をつけたほうが良いのかも知れません。
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