【最前線】あなたのゴミは今、「お金」に変わっている
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2018年に中国がプラスティック輸入を禁止したのが世界的なターニングポイントでした。
日本を含め、先進国で集められたプラスティックごみは、それまで中国に買い取ってもらっていたのが、ベトナムやマレーシア、フィリピンに送られるようになり、そこでも河川や海を汚染する邪魔ものでしかなく、社会問題となりました。
2020年になると、西アフリカ諸国にプラスティックごみを輸出するのが世界の主流になりました。
西アフリカのプラスチックごみ問題は誰の責任か – Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/videos/2022-08-30/RHEL3SDWX2PW01
2020年に、改正バーゼル条約が締結され、日本国内でも2021年にバーゼル法が施行されました。
リサイクルに適さない汚れたプラスチック等の輸出について(注意喚起)
https://www.env.go.jp/recycle/yugai/recycle.html
プラスティックごみの輸出が規制されたことにより、国内でのプラスティック処理が必要とされるようになりました。
だいたいは、ゴミ収集して焼却炉で燃やす、というのが主な対処ですが。
2022年は原油価格が高騰して、ペットボトルリサイクルが増える、ということはありました。
ペットボトルごみ、争奪戦 取引価格4倍、リサイクル原料に 飲料メーカー
https://www.jiji.com/jc/v8?id=202212keizaihyaku084
2023年は原油価格が下がったため、新品のペットボトルを製造するコストが下がったため、ペットボトルのリサイクルは割に合わなくなっています。
廃ペットボトル5割安 23年度上期、再生樹脂に割高感
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB131FR0T10C23A3000000/ペットボトルがゴミから資源に変化した、その経緯や現在の業界の構図をわかりやすくレポートしてくれているよい記事ですね。
(かつては考えられなかった)アパレル業界での需要の伸び、飲料業界がペットボトルを「死守」しようとする動き、コンビニエンスストアや商社の工夫した動き、そしてウクライナ情勢と原油価格による影響など、様々な要素が関係していますね。
我々がゴミと認識しているものも、技術が進み、トレンドが変わり、需要が起これば資源となりうるし、お金にもなる。当たり前を当たり前とせずに、世の中の変化に敏感になり、事業としてチャンスはないかと考えることも大事なのかなと感じます。最も身近なゴミといえるペットボトル。調べてみると、ゴミの回収の仕組み、リサイクルの仕組み、企業活動など、社会のさまざまな側面が見えてきます。
粗大ゴミや家電など、有料で捨てるゴミもありますが、普段何気なく捨てているゴミの処理にもお金がかかっています。
企業がサステナブル目標を掲げ、普及が進むペットボトルの再利用や再生ポリエステルの活用も、今はまだ「石油由来でつくるほうが安くできる」のが現実です。
サステナブルが目標ではなく、当たり前の社会になったとき、誰がリサイクルのコストを負担するのか、その答えはまだ出ていません。
コスト上昇とGHG削減をどう両立させるか。その責任を企業だけに問うのではなく、消費者も含めて、本当のあるべき形をつくっていかなければいけないと感じます。