【大物CFO】アクティビストとの対話は「腕の見せ所」だ
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日本企業に対するアクティビストキャンペーン数は、2022年12月時点で124件と、過去9年で約8倍に急増しています。日本企業にとって、アクティビストファンドとどう相対するか、どう対話するかは益々重要になってきています。
日本で活動するアクティビストは、欧米・アジア・国内系のアクティビストファンドなど種類も増えてきており、主張内容も多様化、同時にマスメディアやデジタルを使いながら発信手法も洗練されてきています。
記事にあるとおり、日本企業としては、アクティビストの主張に対し、しっかり回答し、明確に説明することが益々重要になってきていると思います。
また、CEOやCFOは「キャピタルマーケット(資本市場)がどう反応するのかを想像して投資家にアピールすることが重要」との点に同感です。
オンライン面談が多かったり、海外投資家の多くは英語を使うのに対し、我々は英語で話すことに十分慣れていなかったりと、障害は色々ありますが、投資家の期待値をよく踏まえ、丁寧にわかりやすく説明していくことは重要ですね。
数字や事実を並べれば、投資家も企業が直面した状況を理解してくれるわけではありません。数字も重要ですが、同時に、現状を踏まえて、どのような戦略を考えているのか、どのように現実的に実行していくのかといった未来志向のストーリーを、わかりやすく伝えられているかどうか、この点はクリティカルかと思います。
記事の最後に以下のくだりがあります。
「投資家を含めたさまざまなステークホルダーの幸福のためにお金の使い道を考える「CFO」という役職は楽しく、やりがいのある仕事だと私は実感しています。」
市場が複雑化し、情報が行き交う中で、企業が関係するステークホルダーも多様化してきています。そんな中、お金の観点からステークホルダーとの関係を発展させていくという意味では、現代のCFOは、ステークホルダーとの関係をマネージするというCEOが執り行うべき仕事に近づいているともいえなくもないですね。自社株買いは「当社の株は割安です」というメッセージと同時に「成長のためにどこに投資していいかわからないのでとりあえず自社の株を買っておきます」というメッセージなので、非常に微妙な施策です。何度もやっている会社(一時期のIBMとか)は後者であることが多いのではと思います。かといって、思いついたようにM&Aなんかをすると大体失敗するのですが。
結局のところ、企業としてどのように自社の成長戦略を描き、将来的な収益の向上を見込める見通しがあるか、そのために競争に巻き込まれない参入障壁のある事業を作っていけるか、そしてそれらのためにどう投資していくかということが問われるのだと理解しました。
今後知りたいのはアクティビストのみならず、長期投資を行う投資家の視点です。短期での成果が企業には求められるようになっている一方で、上記のような戦略を持っている企業を支援するのも投資家の仕事だと思うからです。彼らが何を見てどう投資しているのか、知りたいと思いました。