【最速解説】イーロン・マスク、壮大過ぎる「AIの野望」
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著者のウォルター・アイザックソンは『TIME』誌の編集長をへてCNNのCEOを務めた。アインシュタインやレオナルド・ダヴィンチなど歴史上の人物の評伝の名手だったが、最近は、前作のクリスパーを発見したジェニファー・ダウドナなど、今生きている旬の人物の評伝へとシフトをうつしている。
それにしてもこのスピードで書き上げてしまうのがすごい。ダウドナの評伝『コード・ブレーカー』では先陣争いで、ダウドナが権威をつかってライバルを蹴落としたなどのダウドナ本人にとっても容赦のない話を、本人にぶつけたうえで書いていたが、何かと物議をかもしているこの人物の評伝は文春の宣伝をみたら「公式伝記」とあった。これは、Authorized Biography の訳だろうから、原稿は、イーロン・マスク自身がチェックしていることになる。うむむ、そもそもそういう形式でなければ本が成立しなかったのかもしれないが、ちょっと残念。
『コード・ブレーカー』についてはレビューを私のコラムで書いています。
https://dot.asahi.com/articles/-/214?page=1X.AIの命題のひとつが「人類の意識が生き続けるのを助けるAI」であるというのは面白い。人類の脅威としてAIをとらえてきたマスクによる、最大真実探求AI=「宇宙の本質をを理解しようとするもので、そういうAIなら、宇宙のおもしろい部分である人類を残そうと考えるはずですから」というコメント。
意識というのは存在するのか、知能と意識のどちらが大事なのか、知能は単なるアルゴリズムにすぎないのか、その先に人類は何を望みたいのか、などの問いを最後に投げかけたハラリの『ホモ・サピエンス』や『ホモ・デウス』のくだりを想起してしまいました。
マスクの経営・所有する6社でいうとテスラだけではなくニューラリンクとかの方がより本記事の内容と関連性が高く、X社をあまりつなげすぎるのは(この記事の内容だけからすると)やや短絡的に感じるところもありますが、マスクの野望が何に向かっているのかが興味深いことには変わらない。ぜひ読んでみるべし世界同時発売。これもまたマスクらしいぶっ飛んだやり方に、英語メディアも「マスク本」の記事で持ち切りです。
NewsPicksでも、本日発売の日本語版をいち早く入手し、その知られざる「壮大なAIな野望」について、最速で紹介/解説しています。