AIビジネスの本命「自動運転」が、「生成AI」のようにスピーディに普及しないわけ
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サンフランシスコの自動運転タクシーは、一つの試金石ですね。イレギュラーな事象にどれだけ対応できるのか。いろいろトラブルを起こしていますが、かなり実証できているとも見えます。
日本でいつ可能になるかを想像すると、道路の狭さ、悪天候の多さがネックになりそうです。だから、タクシーよりバスから始めるのは自然ですね。歩道のある幹線道路に限定すれば走れそうですが、それだとどれだけ需要があるか。バス需要が比較的多い地方政令市あたりで実証できると良いかもしれません。いつも不思議なのは、自動運転タクシーについて語られる時はいつも技術やオペレーションの話になり、そもそものサービスへの需要の議論はほとんど見かけないこと。
もちろん自動運転タクシーに一度乗ってみたいというニーズは確実にあるのは分かりますが、長期的に以下の代替手段に対して、どんな優位性で勝っていくのかの議論を見たいです。
・自家用車(ドライバーが運転)
・自家用車(自動運転)
・UBER(ドライバーが運転)
・タクシー(ドライバーが運転)
・公共交通機関
さらなる技術革新と事業規模のスケール後には、人間ドライバーよりも低コストでオペレーション出来るというストーリーが有力かもしれませんが、すごく遠い未来の話にも聞こえます。
人間ドライバーよりも安全だという主張もありますが、普通の人がUBERやタクシーを利用する時に安全性を考慮してドライバーを選んだりしていない現状がある中で、自動運転が差別化要因となるためには圧倒的な安全性の違いを証明するとこが必要。
さらに、自動運転に対するニーズの議論の先には、「自動運転タクシーvs自動運転自家用車」のビジネスモデルの議論があると思います。
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という話を2年前に記事で書いたのですが、このあたりの地に足付いた議論に興味があります。
自動運転タクシーは、技術革新だけで幻滅期を抜け出せるのか?
https://coralcap.co/2021/07/self-driving-car/記事では、自動運転が生成AIより普及しない理由を、自動運転は人の命に関わることなので技術的完成度が、より生成AIより求められるためとしていましたが、違う観点を。
そもそも何かサービスが普及するということを言い換えると、より多くの人がそのサービスを使うようになるということになるかと思います。さらに、その事象は、類似サービスが存在してるがそのサービスがよりよくて多くの人が類似サービスから乗り換えているのか、類似サービスは存在しておらず全く新たなサービスが便利なため多くの人が使い始めているのかに分けられます。
生成AIの場合は、後者の「類似サービスは存在してなく全く新たなサービスが普及している」こちらに該当するかと思います。(もちろん、これはAI界隈の詳しい人にとってということでなく、サービスを利用する一般人にとってどうかということで)この場合、類似サービスがなく新たなサービスのため、認知を得られ本当に便利なものであれば、類似サービスの惰性的利用や類似サービスとの検討が一般ユーザーになく、普及は比較的早いと考えることができます。
一方で、自動運転は、前者の方ですでにタクシーやバスといった類似サービスが存在する方に該当します。この場合、類似サービスよりも後発サービスがより人々に使われるためには、仮に認知度や供給量が同じだと仮定した際にその後発サービスがより類似サービスよりも人々のニーズを満たすものでなくてはなりません。この観点で、自動運転とタクシーを考えると、自動運転はそもそも交通状況を認知し判断することにおいてタクシードライバーに劣っており、ユーザーが想定するある時間までにある目的地に到達したいというニーズを満たすことに劣っていると考えることができると思います。ここが類似サービスであるタクシーに勝てないつまり普及していかない理由になっていると考えることができます。