パウエルFRB議長、必要に応じて追加利上げの用意-高金利維持へ
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ほとんどのインフレに、「利上げ」が効かないのは、ほぼ歴史的に証明されている。
というのも、インフレには、供給不足(※供給網の破綻含む)に伴うディマンドプルインフレと、今般のわが国のように燃料や輸入食品の価格高騰等によるコストプッシュ型インフレがあるが、現状世界が直面しているインフレは、明らかに後者の要素が強い。
そもそも、第二次大戦のような大戦争でも起こらない限り、ディマンドプル型のインフレが発生したことなど、歴史上ほどんどないのである。
であれば、インフレ抑制に有効なのは、減税や補助金であり利上げでなない。
現にわが国でも、政府がガソリンに補助金を出したのは、明らかに効果があった。
いや、それどころか、利上げによって供給側(=企業)に圧力をかければ、経済の縮小圧力が高まり、経済成長が阻害され、デフレに向かうことにもなりかねない。
だからこそ、マーケットは、この米金利の動向に常に敏感なわけだが、いわゆるエリート達には、そんな経済の基礎的な原理は、どうでもよいことなのだろう。
デフレによって儲かるのが自分たちであることを、彼らは歴史的に知っているからである。
注目のコメント
一言で言うと、今後の金融政策はデータ次第、でした。超タカ派発言に身構えていた市場としては肩透かしでした。一応はホッとしたと思います。ただ、先行きを読むためのヒントに乏しく、買い戻しで株価は上がったものの、方向感が出る程ではありませんでした。発言の中で敢えて今後のヒントを探ると、物価目標は2%にとどまったまま、と発言しました。「とどまったまま」はまだ変えていないという意味であり、意味深だと思います。
パウエルFRB議長の講演原稿を読みました。追加利上げがあるかないかよりも、引き締めの長期化を示唆したことが大事なポイントです。
内容は「2%のインフレ目標に回帰することにつき自信が持てるまで金融引き締めを続ける」「サービス価格のインフレ率は下げ止まりしている」「インフレ率は労働需給のタイトさに反応しやすくなっているかもしれない」「トレンドを下回る成長率にしようと利上げしているが予想外に景気が強い」「中立金利、均衡利子率の推計には不確実性がある」など、かなり強いトーンで引き締め長期化を示唆しています。
締めくくりの一文で、昨年も使ったボルカー元議長の著書の原題 keeping at it (やり続ける)が登場します。これが全てを集約したメッセージです。