香港高裁、抗議デモで歌われた楽曲の禁止認めず-政府の申請を却下
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同記事の原題は「Hong Kong Loses Bid to Ban Protest Song in Free Speech Victory」であり、「表現の自由の勝利」としています。
プロテストソング「Glory to Hong Kong」は2019年の抗議運動の際、ある若者によって作曲され、デモを象徴する曲として歌われてきました。
2020年の国家安全維持法施行後は、同プロテスタントソングを公の場で歌う・演奏することは萎縮されてきましたが、街中のストリートミュージュンが突然、演奏をしたり、エリザベス女王が逝去された際、香港の英国総領事館の前に市民が集まり、この曲を歌うなど、「静かなる抗議」の手段として使われてきました。
同時に、この曲は2019年の文脈の中で、デモ隊にとって「新らしい国歌」のような側面を有していました。そんな中、コロナ禍が明けた2022年以降、香港で様々な国際スポーツ大会が開催されるようになったのですが、大会主催者側が香港代表チームの国歌を中国国歌ではなく、「Glory to Hong Kong」を誤って流してしまう事例が相次ぎました(YouTube でHong Kong national anthemと検索すると、トップはGlory to Hong Kongです)。香港行政政府および「香港は中国の一部に過ぎない」とする北京政府にとってはまさに、憂慮すべき事案であり、7人制ラグビーの国際大会「Seven Stars 」で同プロテストソングが流された際、香港政府は即時、激おこの声明文を公開しました。このような背景もあり、香港政府は裁判所に楽曲の使用禁止を求めたのです。
このように様々な背景があるGlory to Hong Kongですが、裁判所は政府側の申し入れを拒否する対応を取りました。しかし、まだ控訴審が行われることも十分考えられます。今後、同プロテストソング、ひいては香港の自由がどうなっていくのか、私たちは注視してゆく必要があるのではないでしょうか。
・Glory to Hong Kong
https://youtu.be/fPJESCpanq8
・デモの最中で歌われたglory to Hong Kong
https://youtu.be/dY_hkbVQA20