フランス暴動のいまと、これまでに起きたこと。警官による17歳少年射殺に広がる国民の怒り
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パリ南部の郊外にあるライ=レ=ローズという街の市長の自宅を暴徒が襲撃。当時市長は状況の監視のため市庁舎に詰めていたものの、自宅にいた奥さんと子供が逃げ出す際に負傷して骨折の疑いがあるそうです。
ライ=レ=ローズは県庁の分舎もある街で、時には役所の手続きに時には街の名前にもなっている庭園に出かけた馴染みのある街で結構ショック。暴動の始まりの当初より市庁舎は攻撃を受けていたようですが。
「2017年の法改正で、フランスでは警察官がより幅広い状況での銃使用が可能になった」
この法改正、パリ郊外の強盗などが多発していた通りに監視カメラを設置したところその監視カメラが攻撃対象に。盗難車を乗り付けて炎上させるといった攻撃が続いたため警察官を現地に投入して監視カメラの監視にあたらせていたところ、今度はその警察官が火炎瓶などの攻撃を受けて重傷を負った事件を受けたものです。
また全体的な流れとして2015年のパリ同時多発テロ以降は公共空間で法執行機関や軍隊の自動小銃を目にする機会は不可逆的に増えたと現地に暮らしていても感じます。偏見による差別があったと当該地区の国民は怒っているようですが、検問による停車命令を少年が無視したら躊躇なく銃口を向け、闘争したら射殺を恐れず発砲する国なんですね、フランスは。まして誰かが人質を取って立て籠もったら、対処の第一の選択肢はたぶん、犯人の射殺でしょう。人権を重視し人命を尊重する日本では、先ずあり得ない話です。
人権を理由に日本の死刑制度を批判する国はフランス以外にも多いですが、そうした国々は、裁判を経ることなく現場で犯人を射殺することを厭いません。どちらが人権に配慮していると言えるのか。改めて考えさせられる事件です (・・;ウーン警察官の発砲事件については、法に基づいた厳正な捜査が行われ公正な裁きが下されることを強く期待します。この事件は本来、人種を理由とした差別の問題ではないはずで、そうであっては決していけないはずですので、暴動がエスカレートしないよう、歴史と伝統を誇るフランスの司法制度がその本領を発揮してほしいですね。
フランスは、今春の年金制度改革への抗議デモに続いて、まさに物情騒然。この背景には、失業率が約7パーセント、インフレ率が約5パーセントといずれも高止まりしていて、マクロ経済運営がうまく行っていないことへの国民の不満の鬱積もあるのでしょう。日本も他山の石とすべきかと思いました。