新型の株式報酬、税率最大55% 国税庁見解で負担増も
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信託型SOに関する続報来ましたね。
年始に国会答弁で話題になったやつです。いわゆるSOの権利行使時に給与課税がされるかどうかという論点です。本来は税制適格要件を満たして、権利行使時課税が免除されるものです。
信託型SOのスキームは国の優遇措置でもなんでもなくて法律の隙間を塗って、税制適格SOと同じような効果が得られるように作られたスキームです。
ただ、本件は税制改正でもなくて法律の解釈の話で、国税は信託型SOも権利行使時に課税されるという見解を示すものです。
最高裁の判例を経て国税が法律の取り扱いを明確にすることは良くありますが、今回のようなケースは私の経験上は記憶にないです。
また、専門家としても現行の法令で信託型SOに権利行使時課税をするというのは解釈上難しいと考えていますので、国税の解釈が気になります。
仮に過去の事象に課税をしてくるようなことがあれば、納税者としても到底納得できるものではないと思いますので、裁判になることも想定されます。
今後、国税がどのような解釈を示すのか、待ちたいと思います。信託SOが使えなくなると、残るは税制適格SOと有償SOがあります。
税制適格SOは年間の行使額の上限が小さいので、スタートアップがワールドクラスのタレントを雇うには向きません。有償SOはある程度ステージが進んだスタートアップではSO取得時の当初購入額について一定のまとまった資金が必要で、これもタレントの勧誘にネガティブに働きます。
すなわち、岸田政権や日本取締役協会が進めたいワールドクラスのデカコーン・ユニコーンには向かない仕組みです。
逆に言うと、既存のOKなSOはスモール上場向きです。産業政策上、これでいいのでしょうかね。日経にも記事がでましたか。この点、実務的にはかなり影響が大きいので、内容の詳細が気になるところです。
これまで、数多くの信託SOの導入を支援し、この記事にも登場するコタエル信託による見解はこちらです。↓
https://kotaeru-trust.co.jp/news/20230131/index.html
受益者が確定していない信託に対して新株予約権を時価発行し、その後に受益者を確定させることで、時価発行新株予約権の性質を保ったまま簿価移転させて、権利行使時課税を避けるというスキームです。
技巧的といえば技巧的なのですが、国税がどういった理屈で、これを覆そうとしているのか、非常に気になります。