東証プライム企業、最低1人は女性役員 政府が新目標
コメント
注目のコメント
明確な数的目標を掲げた事は評価に値すると思います。一方,アメリカのナスダックなどはマイノリティ取締役の採用基準に満たない会社は上場廃止という強制力を持った形で多様性を推進しており、日本も今後義務化にどこまで踏み込めるかが問われます。強制力のない自己努力頼りのアプローチを長期間に渡ってとってきた結果,改善のスピードが世界より一周遅い日本が定位置となってしまいました。今日本に注目している海外投資家の期待は、日本企業の「変化率」の高さなので、この期待を裏切らないためにも、強制力に関する議論は必要だと思います。
なぜ「多様性」が必要で、日本の場合まずは「女性」となるのか? 女性活躍やD&Iをうたう企業のトップでも明確に言語化できる人はあまりいません。なぜ意思決定層の女性が必要なのか? 私は日本の組織こそ、「同質性のリスク」への危機感を持ってほしいと思っています。日本の組織は非常に同質性が強く、新入社員から同質に育成され、昇進も年次によって管理されています。結果、年齢も性別も同質な管理職層が誕生します。同質性の高い組織は見落としも多く、集団浅慮に陥りやすい。間違いがあっても、それが修正されず長く続いてしまうなどの課題があります。多様性とは全ての人の多様性を包摂することですが、まずは女性を包摂する。それが多様性の第一歩なのです。
バフェットの件やここ数日の日経平均の動きなどを見るに、日本は今、明らかに世界の投資家から注目されていますよね。その中で、やはりこの女性役員比率の低さは、ESGを重要視する海外投資家からは必ず指摘される事項であることは間違いありません。
そもそもなぜ女性の役員比率が重要なのかといえば、それは多様性を組織に包含することがイノベーションに繋がるからです。そして、これまでの昭和的な画一的な視点だけでは、新しいものは生まれず、むしろ集団浅慮のように、視点の不足がガバナンスの不備を生み出し、企業として大きなリスクを見落とす可能性すらあります。
単に男女の頭数の話ではない、ということをどこまで企業が理解して役員比率向上に舵を切れるのか。この世界からの大きな流れをうまく利用して、日本企業が変わっていけるきっかけになればと祈るばかりです。