ブルー・オリジン、NASA月面着陸機を開発へ スペースXに続き
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コメントが遅くなりました!記事タイトルに語弊があって、Blue Originが主契約社ですが、National Teamと自称するチームにはボーイング、ロッキードにDraper(ispaceが組んでるとこ)と、並いるアメリカの新旧の航空宇宙企業がずらりと顔を並べています。
今回が2度目の「競争入札」。1度目は2社選ばれると言われていて、Blue Origin率いるNational Teamが本命感を出していましたが、蓋を開けてみればNASAが選んだのはSpaceXの一社だけでした。Blue Originが負けた理由は、ネゴして最大限の金額を取ろうと目して$5.99Bという超高めの直球を投げたことと言われています。対するSpaceXは$2.94B。実に2倍以上の開きがあります。Blue Originの下心が裏目に出て、NASAは一切のネゴを拒否。だって$6B(8000億円くらい)もするんじゃ、民間に委託する意味がありません。本命であったことの驕りがあったのかもしれません。負けた後もNASAを相手に裁判を起こしたりと、後味の悪い幕引きでした。
で、今回が2度目の競争入札。流石に反省したのか、$3.4という謙虚な入札額。これでNASAも納得したのでしょう。
さて、アポロ以来初の月着陸であるArtemis 3は2025年、つまりあと2年先に設定されています。SpaceXのHLSを使う予定ですが、しかし2年で実現するかといえば、かなり怪しいと言わざるをえません。まず、Starshipがそもそも軌道に打ち上がっていない。しかもそれを高頻度で5回だか10回だか打ち上げて軌道上のタンカーに燃料を補給。それでやっと月へ向かえます。そしてもちろん、人を乗せる前に無人の月面着陸試験を成功させなくてはいけません。さすがのSpace Xでも厳しいでしょう。初の月面着陸は、2026か2027くらいなんじゃないかと予想します。追い上げてくる中国が気になるところです。ブルー・オリジンは商業宇宙ステーションとか色々なプログラムをやっているけど、創業者であるジェフ・ベゾスの宇宙ビジネスにおける関心の中心は月およびシスルナ経済圏にあると思う。ジェフ・ベゾスもイーロン・マスクも宇宙に経済圏を広げることでは同じだけど、ジェフ・ベゾスの世界観は地球が中心にある(イーロン・マスクは複数の惑星に住むべきという考え)ブルー・オリジンの語源は、いつか人類が宇宙に広がったときに、僕たちの故郷(=オリジン)はあの青い惑星(ブルー)という意味。地球を維持するために宇宙文明になるべきというのがジェフ・ベゾスの物語。
Blue Originはサブオービタル飛行までしか成功しておらず、月面着陸はこれまでの技術開発の段階から数段飛躍する必要があるが、それでもNASAが選んだのはやはり資金力や構想力があるからなのだろう。もう古い宇宙の時代ではない。