クイックに理解する『企業価値評価』
コメント
注目のコメント
4月なので、気持ち新たに財務経理のスキルアップを目論んでいる人も多いと思います。
最近、大内さんは記事を定期的に輩出していますが、この記事は企業価値評価について具体的なケーススタディをする前に読むと、ケーススタディが分かり易くなると思います。
大内さんの記事に補足して、取っ掛かりとして、もっと基本的な説明を加えるとしたら、
企業価値はあくまでも主観的なものであり、置かれている立場や(→株主、買収者など)、その人の目的によって違っているのが当たり前であり、株価算定、事業価値算定の手法が複数あるのは、その主観的価値の前提となるベースを、目的によってより適切な手法で、客観的に算定する為です。
客観的というのは、それが正しいというより、算定根拠が明確だということです。
例えば、記事にも説明がある非事業性資産ですが、買収者がその資産を強く欲しるものであれば、そこの評価額は上がる可能性がありますが、上がるにしても、まずは算定根拠が明確な価格がなければ、幾ら上がるのか明確になりません。
ですから、株価算定や事業価値算定は、その利用者の目的に合わせた客観的な価値算定をして、それをベースに、利用者が斟酌して判断すべきです。
ということは、会社で買収担当をする場合、最低限この記事にかいてあるテクニカルタームは、理解できて使えることが必要です。
→覚えていれば良いレベルではないということです。シンプルにまとめられており、下手な市販本を読むより全体感がわかりやすいと思いました。
BSにかかる基礎的な知識がある前提での話ですが、事業用資産(事業価値)/非事業用資産(非事業価値)から見る企業価値は「BS左側=資金の運用サイド」から見たもの、一方で株主価値/債権者価値から見る企業価値は「BS右側=資金の調達サイド」から見たもの。
記事でも触れられていますが、理屈上、DCF法による評価、すなわち、事業用資産(事業価値)/非事業用資産(非事業価値)=BS左側で算定される企業価値が適切とされます。
なのに、そのBS左側の計算(DCF)に使用するWACC(資本コスト)はBS右側=資金の調達サイドから求める。これは資金の運用サイド(BS左側)から計算できないため、市場の期待収益率を使用しているに過ぎないということ。
初学者は、この辺り、企業価値算定にかかる各要素の位置付けがこんがらがります。ファイナンス理論でありがちな、計算式の羅列などは行わず、初学者がイメージを掴みやすいように配慮してみました。
企業価値評価、書き始めるとあれもこれも手を広げたくなるくらい奥深いので、部分的な言及になってしまっているかと思いますが、ただ、読まれた方が企業価値評価ってどういうことをやっているのか、がうっすらでもイメージできるようになるのであれば本望です。
ちなみに最近は事業承継や相続での株価算定ニーズも高まりを見せており、企業価値算定が中小企業に行われるケースが増加中です。