【6年連続】「幸福度」が世界トップ、フィンランドの秘密
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「世界幸福度年次報告書」というのは、国連が出している、というわけではなく、つくっているのは、Sustainable Development Solutions NetworkというNPOです。
こういう「国連が協賛」みたいなNPOはたくさんあります。
報告書の中身は、ギャラップ社がつくっています。
当たり前ですが、全世界200ヵ国近くの人々に実際にインタビューして回る、というような調査は、莫大な費用がかかるので、そんな調査はしていません。
各国の政府発表の統計(国によっては信頼性に乏しいですが)から読み取った
・1人あたりGDP
・平均寿命
・寛容さ
・社会保障
・人生を選択できる自由
・汚職
という6つの要因で 点数化して、順位をつけているだけです。
これに加えて、「ディストピアからどれだけかけ離れているか」という要因で加点されます。
1位から24位まではヨーロッパ諸国と米国、カナダが独占しています(ただし、4位がイスラエル)。
日本は47位です。36位のメキシコや、40位のニカラグアにも後れを取っている、ということになります。
日本は6つの要因だけなら上位15位以上に入りそうですが、「ディストピアからかけ離れている」という要因の加点が非常に小さくされています。シンガポールもこの加点が小さいです。
フィンランドとイスラエルは「ディストピアからかけ離れている」ことによる加点が非常に大きくなっています。
https://happiness-report.s3.amazonaws.com/2023/WHR+23_Statistical_Appendix.pdf一時期、フィンランドに4年連続ぐらいで行っていました。日本人が思っている以上に、フィンランド人は「ロシアを挟んだ隣国」として日本を身近に思っていて、実際に、フィンランド企業の市場として日本は上位に位置することがかなり多いのです。
後は「沈黙が気にならない」という点で似ているとよく言われたりしたのですが、では、なぜ幸福度ランキングでなぜこんなに差が出るのか。このレポートは、そこで感じたことをなかなか的確に表してくれている気がします。「幸せ」を勝手に定義して評価してみたら、1位の国の市民から違和感が出て、「満足」という概念が出てくる。「世界幸福度年次報告書」という言葉で表現するにふさわしい調査手法なのかということはさておき、何かを指標化した後の違和感は気づきであり、それがまた次の進化を生むことは良いことだと思います。もちろん、数字の一人歩きやレッテル貼りなどのネガティブな作用には気をつけなければいけませんが。