AIは社会を「なめらか」にできるか?
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難解だけど愉快だった。鈴木健さんが終盤に語った「生きている世界の可能世界の空間も同時に生きている感じ」という表現は、まさに自分のエージェントAIが生成した自分っぽい発言を表現していて、その通り!と思った。
落合陽一さんの表現で言うと、それが「位相がずれている感じ」らしい。
注目のコメント
「なめらかな社会とその敵」この有名すぎる言葉を見聞きした事はもちろん、実際に読んだ事がある人はかなり多いのではないでしょうか?文庫化されたことで注目されていますが、巻末には初版以降の10年間で起きた問題点の論考が掲載されているのでぜひ手に取っていただけたらと思います。なめらかさがなぜ必要なのか?私から著書の中の言葉を一つ紹介したいと思います。
《個人という幻想が、過度の合理化や言い訳を増幅させてきた。矛盾を許容しない社会は、多様性を許容できなくなる》
多様性と聞くと特定の物事をイメージしがちですが、本来、人は全ての考えが一致しているはずもなく、個人単体の中でも様々な矛盾を内包しています。にもかかわらず今はあまりにも、白か黒か、yesかnoか、正しいか正しくないか、自分を正当化するために他を否定する、みたいな発想が溢れているように感じます。鈴木さんによれば、この10年の変化を表す言葉は「分断」。情報技術との関係について聞けたらと思います。そして今とてつもない勢いで勃興し進化し続けている生成AI。イーロンが署名したり東大が見解を公表したりするなど、それだけ大きな反響となっていると言えますが、「産業革命」と表現されるほどの変革をもたらすとされるAIの進化が「なめらかさ」にどう寄与するか?じっくり聞けたらと思います。
【配信後記】
「なめらかになった」「まだだ」という静かながらも確かな相対が見て取れる議論だったと思います。見応えは十分です!AIについて鈴木さんは「皆がまだビジョンを持てないから様々な議論がおきている」とし、LLMを採用するAIについては「言語能力は人間を超えるが他の能力に関してはそこまではできない形に進化していくのでは」との事です。ちなみに今の状況は95年〜98年の「検索のプロがいて検索を使いこなせるだけで就職できた時代」の状況に近いそうで、つまり今後は特殊なハックなしで皆が使えるようになる可能性があるわけです。
鈴木さんが落合さんに投げかけたこんな質問が印象的でした。
「大阪まで車で15時間、自転車で3日、歩けば20日。移動した結果は変わらないが見える景色は違う。加速することで変わるが、どう変わっている?」
生成AIが今後どうなるか。シェインさんが「アシスタント」暦本純一さんが「友達」と表現したように付き合いながら、行く末を楽しみにしたいと思います。とても面白い展開になっています!
『なめらかな社会とその敵: PICSY・分人民主主義・構成的社会契約論』
https://www.amazon.co.jp//dp/4326602473
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