プログラミングは不要になるのか?これからのIT教育への期待と懸念
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世の中に必要かどうかということで自分の進退を決めない方がいいと思います。
何をやりたいのかその為に必要なのかという事で取捨選択出来るチカラを身に付けるには触れておく必要はあります。
シンギュラリティはいずれ必ず来ます。
ですがあなたは今を生きているのです。
注目のコメント
ビルを建てる作業はすべてを人間が手作業でやらなくても、機械が主導で、あるいは機械と人間が協調して行うようになりました。
同様にシステム開発という作業も、ある一定の領域については機械が行う、また機械と人間が協調して行うように変わっていくことは十分にあり得ます。
ですが、どんなシステムをどんな仕様で作るか、ということを決めていく作業、それが決まった後にシステムが出来上がるまでのプログラミング以外の作業、のようなものについては、まだ当分の間は人間が担うことになるでしょう。
ビルの建設で例えれば、どこにどんな外観、設計のビルを建てるかを決める作業。それが決まったら、いつまでに完成させなければならず、その期限を守るためにはどのようなリソース(協力業者や建機)が必要かを把握、計画し、用意する作業。予定が計画通りに進捗していることを確認し、乖離があればリカバリーすることを検討する作業。などがあります。
システム開発業界のビジネスプロセスは建設業界とよく比較されますが、本当によく似ていて、上記建設業界で挙げたような役割は、ほぼそのままシステム開発業界にも存在します。
そのような「単純に機械で置き換えられない役割」については、システム開発業界においてもしばらくは置き換わらないと予想されます。
システム開発業界におけるそういう役割のことを、プロジェクトマネージャー、システムアーキテクト、ITコンサルタントなどと呼称しますが、これら上級IT職にいきなりなれるわけではなく、必ずプログラミングの素養が必要です。なので間口を広げるという意味で私もプログラミング教育には賛成です。
ただしプログラミングだけを極めて上級IT職になれるかというとそうでもなく、プログラミングの素養と共に必要となるのが、計算機科学、アルゴリズム論といったハードスキルに加え、論理的思考力やリーダーシップといったソフトスキルです。
なので欲を言えば、プログラミング教育では「動いて良かったねー」で終わらせず、上級IT職への道筋となる、計算機科学などの知識についてもちょっとぐらい教えて頂けるといいなぁと思っています。(既にカリキュラムに入っているかもしれませんが)20年ほど前、「これだけPCや携帯電話が一般に普及した時代、コンピュータサイエンスなんて不要では?」と一部で大真面目に議論していた人たちがいます。それが誤りである、あった、ことは検証するまでもなく明らかです。
ここで主張したいことは「身近にある」「使いこなせる」ということと、「(ディープラーニングなど) なにか新しいものを作り出せる」ということは全く別の能力であることです。身近になった、使いこなせるようになった、だからといって「その裏にあるものが不要」とは決してならないと考えます。もちろん、全員が学ぶべき素養ではなく、一部の人だけが学ぶだけでよい場合はあります。