失った睡眠は取り戻せるが、週末の寝だめでは足りない 専門家が語る、睡眠負債の返済方法
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睡眠は健康維持のために重要な生活習慣の一つです。不眠によって高血圧や糖尿病になってしまう事も多々あります。睡眠時間は長過ぎて短過ぎてもダメで、7〜9時間が最適であるとアメリカ睡眠医学会と睡眠研究学会が示しています。
寝だめについても、この記事にある様に効果は限定的です。
病院での不眠への介入方法は難しく、薬を出して終わりにしている医師が多いと思います。私の場合は、生活習慣を伺い、改善できそうな点についてはアドバイスしていますが、劇的な改善は望めません。
病院や診療所の弱点は、生活習慣を改善させる力が弱い点です。最近では様々なアプリが出て、睡眠の質を管理していますが、医療機関の介入は服薬以外は進歩していないのが現状です。
生活習慣を改善させる取り組みには、まだまだチャレンジが必要です。睡眠と健康に関する研究は、因果関係の証明には不十分なケースがほとんどで、結局のところ真実はよく分からないというのが現状です。
「昼寝をする方が良い」という記載がありますが、昼寝の頻度と寿命の短縮の関連を示唆した研究もあります。私が専門とする老化領域では、睡眠時間の短縮とアルツハイマー型認知症のリスクの相関がよく知られていますが、実際のところ何時間、どのように寝るのが良いのかはよく分かっていません。
睡眠時間と健康リスクの間には、短すぎても長すぎてもリスクが増加するいわゆるU字型の相関も知られており、個々に適切なバランスがあるのだと思いますが、その「適切なバランス」がどこにあるのかは必ずしもよく分かっていません。交感・副交感神経により構成される自律神経系は循環機能の調節に関係しています。交感神経は活動時に優位になり、副交感神経は休息時に関係しているとされます。前者は循環動態を維持しますが、身体にストレスを与えて病態を悪化する方向にも働きます。
ダメージの度合いは年齢も関係すると思います。昔は徹夜しても何とかなる感覚でしたが、年齢を重ねるごとに、無理して睡眠を削った時間分の疲労を回復させるための時間がかかるようになった印象を受けます。例えば、20代では回復させるための睡眠時間は1.2倍、30代では1.5倍、40代では2倍、50代では数日かけてやっと回復という感覚をもちます。この回復するまでの時間に体がダメージを受けているのではないでしょうか。(この部分の記載は個人の印象です)
そういうわけで徹夜に近いことは避けるようにしていますが、止むを得ず睡眠を犠牲にした場合、効率性で確実に損をします。命を縮めているかもしれません。