ダイキン「磁気冷却エアコン」実用化へ…代替フロン使わず消費電力2割減
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すごいですね。磁気冷却は極低温領域の冷却方法としては実用化されていましたが、室温領域に適した作業物質がなかなかなかったことなどから、エアコンへの応用は難しいと思っていました。しかし、代替フロンの使用の制限も厳しくなりますから、磁気冷却の実用化はかなり重要な技術になると思います。
一般に、冷房や冷蔵庫は、代替フロンと呼ばれるような冷媒となる気体をモーターで機械的に圧縮・膨張させ、その膨張過程の吸熱反応(温度が下がる)で冷却するシステム(つまりヒートポンプ)を使っていますが、磁気冷却では磁性体に磁界をかけると発熱し、磁界を取り去ると吸熱する現象(磁気熱量効果)を利用したものになります。原理的には逆カルノーサイクルとなっていて、ヒートポンプの20-25%程度効率化が可能です。
しかし、磁気熱量効果による冷却は、温度域と磁界の強さに依存します。強い磁界のためには大きな磁石が必要です。常温に近いと格子振動が磁気熱量効果を阻害します。以前は磁石を磁性体の近くでぐるぐる回すなどの方式がありましたが性能に限界がありました。
そこで、弱い磁界でも作用し、様々な温度域で使える磁性体をカスケード状に縦に組み合わせ(積層型高感度メタ磁性材料)、さらに阻害要因になる格子振動を逆に利用して磁性体に蓄熱機能も担わせるAMR(Active Magnetic Regenerative Refrigeration)方式にすることで、室温域での商用エアコンの実現の可能性が出てきました。
https://www.nedo.go.jp/content/100886803.pdf
NEDOのこちらの資料(p.30)をみると、La(Fe, Si)13Hという希土類を含むメタ磁性体が、弱い磁界下で高い磁気エントロピー変化を起こすということです。
図から想像するに、様々な種類の磁性体の粒が並べて入れられ冷媒が流れる様になっている装置の側か永久磁石側のどちらかと、水冷媒の両方を温度勾配方向に往復運動させるのだと思います。
エアコンや冷蔵庫に使われている代替フロンも結構漏れ出ていると思うので、これが実用化できたら世界が変わりますね。
私は磁性が世界を救うと思い一度その道に進みましたが、あながち間違っていなかったかも知れません。2030年を目処に、ですからね。
エアコンや冷蔵庫など冷凍機における
冷媒気体の圧縮膨張サイクルを磁気熱量効果に置き換えたもの。
東芝と中部電力が以前からやってました。
ダイキンは一昨年にも発表してましたね。
例えば、
現在の冷凍機は冷媒が膨張(気化)する際に周りの熱を奪う(冷やす)のと、冷媒を圧縮(液化)するサイクルを繰り返して冷やしている。
これをそのまま消磁(冷やす)、磁化(冷媒の圧縮相当)のサイクルに置き換えた。
消磁、磁化を繰り返すだけなので、
圧縮機も不要、フロンなど冷媒気体も不要(ただし、水の様に熱を媒介する冷媒は必要)
って事で、夢の冷凍機なんですが。
現時点ではまだ効率がよろしくない。
それにしても、電力はたった2割しか削減できないのですね。