【塩野七生】若いあなたへの「ラストメッセージ」
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自分に向けて言われているような気がしてならない。
おそらく多くの30代-40代の社会人が同じ思いを抱くだろう。
社会に出て、よくわからないルールに惑い、ぶつかり、助けられ、転びながら息も絶え絶え一人前として仕事する術をようやく覚える。
これが、論語で言う立つ三十にして立つ。
30代40代は葛藤。社会や会社のメカニズムを知り、自分の意思ももち、いま出すべきか、賢く下げとくか、駆け引きしながらこれでいいのか、いいのだ、を自分の中で反復する。
これが、四十にして惑わずだが、まだまだ惑う。
惑いながら、惑うのもよしと割り切れてくるのが不惑かもしれない。
五十にして天命を知る。
といっても天から降ってくるものではない
生きた半生を通じなんとなくわかってきた生まれ持った使命を確かめるようにいきる、これが50なんだと思う。今日も塩野七生名言炸裂。
「古代からずっと、世の中は生きづらい」
「職業に貴賤はないが、職業をどう全うするかに貴賤は生じる」
「カテゴリーに収まらない。あえて言うなら塩野七生というカテゴリーになる」
「ベンチに座らず、前線で戦う」
東レの田代会長に直談判して破格の待遇を得たエピソードや、ヨーロッパに戻れと厳しい助言をした編集者の話は、小説を読んでいるみたいで示唆に富む。
従来の女性誌や週刊誌のインタビューとは一味違った、NewsPicksならではの塩野さんの魅力の引き出し方が新鮮です。塩野七生さんの独占ロングインタビュー、昨日の前編に続き後編です。
記事に盛り込めなかったエピソードをひとつ、紹介します。
保守の守護神のように見られる塩野さんですが、4時間のインタビューの中で驚きの告白をしました。
「私はね、60年安保(闘争)に参加していたんですよ。
後になって中曽根康弘にこの話をしたら、
『君はちゃんと安保条約を読んでいたのか』と怒られましたね」
とにやり。
その後で、こう続けました。
「いかなる政党でも、民衆の支持っていうのは無視できない。
民の声は、神の声ではない。彼らの声が正しいとは限らない。
しかし無視はできない。
だから民衆が文句を言い始めたら、ちょっと注意しなきゃならないのですよ。
それを政治家が『俺たちのほうが正しい、民衆を導く』なんて思ったら、バカモンってやられますよ」
作家としてのスタイルが唯一無二であるだけでなく、
既存のイデオロギーにとらわれず物事を見る目を持つ塩野さん。
そのあり方は、自身の生き様から生まれた。
インタビューを終えて、記者はそう確信しました。
後編は塩野さん自身の半生と、若い人たちが生きていくためのヒントについてです。