なぜアップルから「画期的な新製品」が登場しないのか?
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画期的な製品をどう定義するかによりますが、2通りあります。
①画期的=イノベーション
②画期的=プロダクトデザインとして新規性がある
どちらにしても的外れだと私はいうことになりますが。
①の場合:
このイノベーションというのはSchumpeter(1948)をもとにすると、「新結合」という定義であり、何かと何かを結びつけることで、今までと違う全く新しいものに変えること、です。このイノベーションはAppleもやっています。
このイノベーションの種類ですが、Incremental Innovation(Christensen(1997))です。改善を行うことによって製品の差別化を多角的に行い、差別化を行う、ですね。この差別化は多岐に渡り、この多岐さが製品の賞味期限をのばすということがわかっています(牧田幸裕(2017))。
さて、NewsPicksに上がっているRadical Innovationですが、Christensen(1997)が論じるに、新市場破壊型とローエンド型破壊があります。前者は全く新しい差別化・・これはやってますね。Apple WatchやVRゴーグル、あとは自動運転車・・・他にはメガネをつけて見るiPhoneなどでしょうか。
次はローエンド型破壊です。これはさまざまな企業が挑んでいる領域ですが、どの企業でさえAppleの次々とした差別化を乗り越えるものはまだ一つできていません。あるとしたらHuaweiかPixcelシリーズですかね。
②ですが、Product DesignはUrlich(2016)によってきちんと示されたものです。この新規性というのは難しく、消費者がこのデザインをどう受け止めるかという問題です。従って、きちんとiphoneシリーズが売れている以上、この部分はしっかりできていると思います。
ゆえに、画期的な新製品がない、訳ではありません。
なお、私の研究領域とするProduct Managementの領域をもとにすると、Appleの製品は十分画期的ですし、しっかりとProduct Managementができていると思います。端的に言うと出す必要が無い。画期的な新製品を出すよりも、漸進的イノベーションを着実に繰り返すほうが、付加価値が高められる。
ポイントは
・日本が得意な積み上げ式ではないこと。
・契約やSCMを極限までに突き詰めたこと。
これらは非常に重要なのだが見過ごされがちである。
SCMを突き詰めるためには規模拡大も必要で交渉力のバックボーンは大規模な数量に尽きる。
Appleは最初、MacやiPodで既に消費者から信頼を勝ち取っていた。だからこそ、iPhoneは歓喜を持って受け止められたのだ。先の日本訪問、タフだし、実行力のある経営者だなと感じました。一方で他のGAFMのトップマネジメントはどうでしょうか。
これまでの世間の常識や既存のUIを破壊してきたので、多少のブランクかも知れませんが、またワクドキな製品を投入すると信じています。