“先行者利益”や“勝者総取り”は誤解、スタートアップが学ぶべき「ネットワーク効果」の本当の姿
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スタートアップを成長させるための施策として、「ネットワーク効果」の破壊力は頻繁に取り沙汰されます。
利用者数が増えるほど一人ひとりの利用者にとっての価値が高まるプラットフォームサービス等において、ネットワーク効果は事業成長における大きな役割を果たすことは間違いありません。
一方で既存利用者が多いことが新規利用者にとっての選択理由になる、あるいは既存利用者にとっての継続利用理由になるということは、裏返せば利用者の離脱が利用を停止する理由になり得ることも意味します。
ネットワーク効果は利用者を増加させる効果と同時に、利用者を離脱させる効果をも内在させているのです。
この点、ネットワーク効果は利用者数を急増させるブースターとしての機能は果たす一方で、獲得した利用者の離反を防ぐ強烈なスイッチングコストとセットにならない限り、参入障壁にはなり得ないのではないかと考える次第。
SNSとしての「Facebook」が直面しているのはこうした課題です。直近相次いで興味のある書籍が出版されたので、まだ「ネットワーク・エフェクト」は読めていないのですがAndrew Chen氏がネットワークについて記事を書くとほぼ必ずバズるくらい注目されている投資家ですね。昨年には「The Cold Start Problem:How to Start and Scale Network Effects」という書籍も出しています(未邦訳)。
「ユーザー数も最初と同じ早いペースで成長し続けられるわけではない。市場の飽和やスパムの発生、マーケティング効果の減退といった壁にぶつかり、成長スピードは必ず減速するのである」
この理解、けっこう重要。