あなたはなぜピケティがわからないのか
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昨日のピケティナイトは良かった。色々と思うところはあったが、
1) 資本家と労働者という構図だが、米国など見ると上場企業の株主は、だいぶ前から機関(投資家)化が進んでいるはずで、機関投資家に資金を提供しているのは普通の労働者(市民)であることを考えると、むしろ資本家vs労働者という構図は弱まっているはず
2)マルクスの資本家が利潤を蓄積して云々とか、水野さんのいう金融資本市場におけるファンドなどの収穫逓増云々については、成功した資本家(ファンド)の陰で相当な数の失敗資本家(ファンド)があるという点をどう捉えているのだろうかと。資本家によるリスクテイクは平均(期待値)で言えば実はそんなに美味しくないゲームのはずで(ファンドのパフォーマンスでも統計のサバイバーズ・バイアスは有名)、そこに生き残った資本家が利潤を蓄積するのが問題だろうか、と。これを是正しようとすると有限責任性を否定とかしないといけなくなり、これもリスクテイクが減ってしまう。
3)米国のスーパー経営者の高額報酬は確かにガバナンスの失敗なのかもしれないが(アップサイド偏重の非対称的な報酬設計に問題があると思う)、ただこれも確率論的にもそこに生き残るまでの難しさを考えるとどうなんだろうかと。フォーチュン500の経営者になれる確率って天文学的に低いはず。
4) 昨日も少し触れられたが、日本で問題なのはサラリーマン経営者資本主義とも言える企業の現金の溜め込みで、これが大きな病理という意識を改めて持った。労働者にも株主にも分配せず、投資もせずで、膨大な資金が寝ているのが大きな問題。やはり日本ではもっと資本の論理が必要。
などなど、素人なりに色々と物思いに耽ったピケティナイトでした。ブーム感もあるピケティ。解説の連載は超ありがたい。一応、NHKは録画しているがまだ見れていない。経済学部出身だったのでこういう内容は学生に戻ったみたいな感覚になる。