キー局決算に見る放送業界「史上最悪の危機」
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局別の放送収入は、大きなスポーツイベントが何月に行われるかで大きく変動するので年度を通してみないと何ともいえませんが、フジテレビの不調ぶりが顕著であるのは確かなようです。
今のテレビ局の経営環境はテレビ放送が始まって以来の大変革期です。競争相手は他のテレビ局だけでなく巨大なグローバル配信企業たちでもあります。ネットの世界は変化が激しく、テレビ局もどんどん変わっていかなければ取り残されます。記事にもあるようにフジテレビはこの変化がうまくいっていないようです。その原因は経営層の高齢化もあるでしょうが、過去の圧倒的な成功体験にもあるでしょう。これを克服するのは思いのほか困難ですが、今の経営者たちが完全に退陣し社長を50代未満にするとか、ネット企業からちゃんとした社外取締役を入れて、社外取締役の数を半数以上にするなど思い切った改革をすれば可能だと思います。この原動力となるのは強烈な危機感なのですが、フジテレビにそれがあるのかがカギです。
それにしても上半期だけとはいえ放送収入がテレ朝にもTBSにも抜かれた4位となったのは驚きで、むしろこれを危機感を高めるチャンスと思うくらいの積極性が生まれるといいのですが、今のフジテレビの社内の雰囲気はどんなふうになっているのでしょう。視聴率が上がったが収入が減った20年、視聴率が下がったが収入が増えた21年。22年は視聴率も収入も下がるのか。今後のトレンドやいかに。今や業界というより個社の経営戦略の問題に見えます。
メディアそのものも発信の仕方が多様になり、メディアを観る私達の価値観や時間の使い方も人それぞれになりました。
船も海も状態が変わったので、何もしなければ沈没してしまいます。放送業界にとっては、史上最悪という時点の危機ではなく、時間の経過によってより深刻さを増していく危機です。
自分たちも社会の変化に対して、変化できているのか。他山の石としたいですね。