HIS、ハウステンボス売却を正式発表…香港投資会社に666億円で
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パシフィック・アライアンス・グループ(PAG)は、他の記事についてのコメントでも書きましたが、いわゆる中国の会社としての香港投資会社ではなく、モルガン・スタンレーの元幹部社員や関係の深いファンドのプロが中心になって2000年代初頭に設立したアジアを投資の中心にするプライベートエクイティファンドで、日本の不動産に対する投融資ではもっとも経験豊富でアクティブなプレイヤーの一つです。決して「中国系の得体の知れない会社」ではありません。日本でも上場していたセキュアードキャピタルがその母体だと言ったら、わかりやすいかも知れません。創業パートナーも、現在のマネジメントも、私個人としても長く仕事をしてきたプロフェッショナルとしてリスペクトに足る人々で、ハウステンボスはよいスポンサーを見つけたと思います。長崎にとってもよい話だと私は思います。
https://www.pag.com/jp/about/
↓
以下、プレスリリースがありました。
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/980780/
長崎県佐世保市のテーマパーク「ハウステンボス」(HTB)の経営権を取得する香港の投資会社「PAG」は30日、大阪市のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の経営を建て直した森岡毅氏が最高経営責任者(CEO)を務めるマーケティング会社「刀」に、HTBの運営やブランディングなどの支援を依頼すると発表した。ハウステンボスの売却がついに決定。
売却益が646億円ですので、先日の減資は欠損金の活用目的ではないのですかね?
減資の件はこちらに詳しくコメントしています。
https://newspicks.com/news/7488562?invoker=np_urlshare_uid364725&utm_source=newspicks&utm_medium=urlshare&utm_campaign=np_urlshare
また、詳しく計算してみます。
HIS単体の欠損金がおおむね280億円ですので、仮にHISの最終利益が646億円だとすると大企業で50%の欠損金制限がされても、646億円×50%=323億円が制限ですので、欠損金280億円が全額使えます。
ただ、例えばHISが本業で300億円赤字だとすると、HISの利益は-300億円+646億円=364億円になります。
そうすると364億円×50%=182億円が制限でここまでしか欠損金が使えないので、280億円の欠損金のうち100億円は今期で使えないことになります。この時は減資で中小法人になることで、欠損金280億円を全額使えることになる、というメリットがあります。
あくまで、税無調整など無視した本当にザックリの試算ですので、容赦ください。
また、平川さんの仰る自社株買いのスキームは、詳細は解りかねますが、HIS以外の株主からの買取スキームが自社株買いだとすると、自社株買代金のうち資本を越える部分の買取金額がみなし配当という取り扱いになります。ハウステンボスは資本が少ないので恐らく大部分がみなし配当になります。
配当金は株式の保有比率に応じて非課税額が決まりますが、保有比率が3分の1以下だと20%~50%が非課税になる仕組みになりますので、これを狙ったものではないかと推察します。
配当の益金不算入についての概要はこちら。
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/hojin/kaisei_gaiyo2015_5/pdf/04.pdfこれまでの報道通り、HISはハウステンボスの株を香港の投資会社PAGに売却を発表しました。ハウステンボスの敷地と重なるIRの計画はどうなるのか。米軍住宅と隣接する立地は経済安全保障上問題はないのか。疑問は残ります。