ヒト血液からプラスチック粒子、初検出。呼吸からも侵入
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マイクロプラスチックの人体の影響を調べるために、これまでは主に糞便中のマイクロプラスチックの数を参照していました。例えば中国・南京大学の研究では、炎症性腸疾患の患者、特に腸疾患が重症になるほど、糞便中のマイクロプラスチックの数が多くなると報告されています。
これまでは「マイクロプラスチックが体内に入っても消化されず、腸を通過して体外に出てしまう」と論じられてきましたので、参加人数が少ない研究ではあるものの、血液にも微小なプラスチックの侵入が確認されたことは大きな意味を持つと思います。
加工食品による体内炎症などについては健康関連本でいやというほど見ますが、今後研究が進むにつれてプラスチックによる体への悪影響を取り上げて論じる本がだんだんと増えていき、プラスチックの摂取を防ごうという考えがスタンダードになっていく予感がします。
Yahooニュースではやや詳細な情報が掲載されています
https://news.yahoo.co.jp/byline/ishidamasahiko/20220602-00298956結構前に読んだ気がするな、と思ったら5月に論文発表されてますね。こちら(✳︎1)から全文読めるのでご参照ください。
以下、3月に本研究について報じていたガーディアン誌の記事(✳︎2)から抜粋です。(括弧は私が追記)
・22人の成人からの血液サンプルを分析
・サンプルの半分には、PET(ペットボトルに使われてるプラスチック)が含有
・3分の1にはポリスチレン(食品包装などに使用)含有
・4分の1にはポリエチレン(レジ袋、ラップなどに使用)含有
1 Discovery and quantification of plastic particle pollution in human blood.
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0160412022001258
2 https://amp.theguardian.com/environment/2022/mar/24/microplastics-found-in-human-blood-for-first-timeプラスチックが水道から出てきたとか、たまにびっくりするニュースがありますが、ついに「血液から」!
数年前は、専門家の方々に聞いても「正直人体への影響があるのかないのかわからない」と回答してる人もいましたが、ここ数年で研究は確実に進んでいるようです。
我々もこのテーマで2年前に取材をさせていただき、記事もつくりました。
・人体に影響はない、はウソ。マイクロプラスチックの影響がわかり始めている
https://sdgs.yahoo.co.jp/originals/65.html
2年前のこの取材でも、「お腹の中の赤ちゃんの育ちのジャマをしたり、精子が減ったり、乳がんになりやすくなる可能性も示唆されている」とのことで個人的にもそうとうビビりましたし、野生の鳥がプラスチックを食べすぎて血中のカルシウム濃度が下がり、卵の殻が薄くなって外敵から襲われやすくなってしまっている、という話を聞いて、本当に種の存続に関わるレベルなんだなと思いました。
空中を小さいプラスチックが飛んでて、呼吸からも侵入と言われちゃうともう気をつけようがないじゃん、ということになってしまいますが、とにかくこのテーマについても諦めず、そもそも人のゴミが自然界に出る量を減らすにはどうしたらいいかとか、生分解性素材の普及についてみんなで考えるとか、アクションしていきたいですね。