【解明】値上げが難しい理由を、心理的に解説してみた
コメント
注目のコメント
行動経済学的な非合理行動も含めて、価格設定というのは奥深い。
わかりやすい例で、
①ある商品が、180円が198円に値上げ(+18円)
②同じ商品が、199円が217円に値上げ(+18円)
共に同じ値上げ幅で、なんなら後者のほうが値上げ率は低いのだが、圧倒的に後者が売れなくなる。同じ200円台なら220円も240円も大差ないが、250円になると印象が少し変わり、270円くらいになってしまうのならいっそ280円や290円にしてしまっても売れ行きは変わらない。
一般的な小売業界ではみなこの点が猛烈に意識されている。
イオンとかドン・キホーテにいくとよくわかるだろう。ネット通販の価格も多くが3980円といった数字になっている。
UNIQLOの今回の大幅値上げも、UNIQLOは990円、1990円というラインでの販売が多いがゆえに、値上げをするとどうせ一桁変わってしまう。それなら今後のコストアップ潮流も含めて思い切って次のラインまであげてみる、という試みに見えます。
一方で、どの環境下においても小手先の技術よりも
■価値を高める
■価値を伝える
この2つが、お値段以上にできていることが、長期的にはより本質的でより重要。まさに、それがこの二十年の、UNIQLOであり、ディズニーランドであり、スシローである。値上げをしつづているが、それでも客数が増え続けている。この世界的な価格高騰期、短期的な値上げに向き合うことも止むを出ないが、恒常的な実力を磨きつづけることこそ事業者として意識したいものだ。こんなゲームを聞いたことがあるでしょうか?
報酬金100万円を2人に分配するとします、どの比率で分配するかは相手が決めますが、あなたはその提案に受託するか拒否するか決められます。
受諾すれば取引は成立し、提案を拒否すれば取引は不成立となり、2人とも1円ももらえません。
ここで、「相手が70万円が分配され、あなたが30万円が分配される」という提案がきたとします。
多くの場合、この取引を不公平だと感じ、取引を拒否することで、2人とも「報酬ゼロ」を望むと思うでしょう。
これは、「最後通牒ゲーム」と呼ばれる実験によって、知られているものです。
真に合理的な判断をするのであれば、30万円をもらえるのであれば、あなたにとってプラスになるはずである。
にもかかわらず、人間という者は、より多くの取り分を得る輩を目の当たりにすると、許せません。
自身が損をしてでも、「不届き者を成敗いたす」といった具合に、相手を処罰しようとする感情が湧くのです。
これは、身の回りにもよくある話です。
仮にある人が会社で昇進して年収が50万円上がったとします。ところが、その直後、同期の同僚が100万円昇給したことを知ったとします。瞬く間に、自身が給料アップしたという事実は吹き飛び、「なぜ、あいつが。自分の給料は安い!」という発想に染まってしまうのが世の常、人の常だそうです(汗)。
何が言いたいというと、こうした人間の不合理な価値判断を知ることは、他人がどうであれ、自分にとってメリットがあるかどうか割れに代えることができる。つまり、他人のことをいちいち気にしなくなる効能がバツグンにあるということです(笑)このあたりの行動経済の本としては「予想どおりに不合理」が分かりやすくてお勧めです
一方で「合理的」という言葉の定義を考えさせられる内容で、何らかの理屈、理(ことわり)に合う、という意味では、人間は必ずしも経済的便益を最大化するという理屈では動いておらず、ある意味それが人間の行動の「ことわり」であり、その意味では「合理的」と言った方が良いんだな、と感じます