製造業×AIのアダコテック、シリーズBで11億円の資金調達を実施
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製造業*AI領域は、スタートアップでも日本発が大きく飛躍できる余地があると感じている。一般的なタイムマシン戦略と異なり、一部製造業は今でも世界の最先端にあるからだ。世界最先端と凌ぎを削って、圧倒的なWOWを作ることが次の産業立国に繋がるはずだ。
製造業でもコモディティで戦うことは既に難しいことは明らかだが、少なくとも素材、電子部品、産業機械、自動車、計測器などは勝負できるプレイヤーが残っており、次のSWの戦い、データの利活用の戦いで勝ち残れるのか?が生命線である。そのための武器は数多く作らないといけない。
SWの領域については、恐らく2つの文脈で勝負時が到来すると考えている。
1つはDBの持ち方、活用の仕方である。日本にはSAP,Oracleのような世界で勝負できるERPがなく、あらゆる情報を集約する国産サービスやDBに欠け、総合力で勝負することが難しいのである。SCMなどはこの点、追いかける立場にある。
他方で製造業領域においては、PLM国産化は負けて、今やダッソー、シーメンスなどに取られてしまったが、MCP/BOM/MESのようなオーダーメイドに成らざるを得ない領域はスクラッチやMCFRAMEのような国産PKGで成立しており、プラットホームの戦いではなく、API水平サービスで勝負できる余地が大きい。
特にMES及び周辺モジュール(スケジューラー、ディスパッチャー、プロセス制御、設備モニタリング、異常報告、歩留解析)については産業や製品固有のカスタムが発生するために、統一というより、より細かいカスタム可能なツールが喜ばれる傾向が強い。最も検査や加工など機能別には固まると思う。
もう1つはFPGAからの進化という点である。特に装置メーカーの投資が猛烈に加速しているが、FPGAからSW完結へできるだけスムーズに展開できるか?が勝負の分かれ目であろう。現在は各社内製開発でどうにかしようとしているが、この領域は圧倒的にエンジニアが足りず、時間切れの可能性がある。
自社完結できる会社もあれば、できない会社も出てくるが、これは実質的に世界競争から緩やかな脱落を意味する。残念なことに1社1社の規模は中堅~小規模で丸抱えできない。異論はあるだろうがSI的に複数社のSW化を支える機能、ノウハウ蓄積して更に高めあう会社も必要なのだ。