【新浪剛史】日本企業は失敗できなくなったから弱くなった
コメント
注目のコメント
失敗は、人生のバランスシートを軽くする──。
ユニークな経歴、さらに言うと、まるで「血迷った」かのような経歴の人を見ると、「この人は話が面白い」と期待すること(?)があります。
例えば、ある社長のインタビュー前、その人の過去記事を読み、かつて調理学校に行き、また大学に入った経歴を知り、「これは期待できる」と笑。実際に取材したところ、大変面白いお話をお聞きしました。
このほか「+2年以上」の人も、話が面白い傾向にあります。
これは、現役入学し、22歳で社会人になるのではなく、複数年留年していたり浪人していたり、またはそのコンボであったり...の人の方が、ユニークで自分の意見を持っているという印象があります(もちろんすべてではありませんが)
このような血迷った人は、20代半ばまでにたくさんの失敗をしてきたことで、「自分は何者なのか」を考えるきっかけがあったのではないかと思っています。
企業経営に例えるなら、人生が上手くいかない期間で、「4年連続の赤字」のような状況。
その過程で、「人生の減損損失」が発生します。
そして、生きているうちに無駄に膨張していった「プライド」や「固執」のようなものが減損によって縮小し、「心のバランスシート」が最適化されというものです笑
企業と同様、バランスシートにぜい肉が少ない人の方が、その後の人生でうまくいく...そんなことはないでしょうか?出戻り社員です。
外に出て行って良かったのはもちろん他の業務を経験することにより得られたスキルもあるが、それ以上に
「どこに行ってもどうにかなるわ」
という自信です。
いわゆる日本の大企業においてチャレンジを妨げる、パフォーマンスを下げる要因は「執着」だと思っています。
それは社内での立場や地位であったり、あるいは生活水準であったり。
それを守ろうとするからこそ行動や思考に制限が生じる。
別に会社での立場が悪くなったらまた転職すればいいし、
最悪クビになったってどうにかなると思えば自由に発想と行動ができる。
その方が結果として会社にもメリットがあると思っています。
「執着」はしないけど今いる会社に「愛着」はあります。
だからこそ戻ってきたので。以前大企業の部長研修で「アメリカは成功するとストックオプションとかで大金持ちになるインセンティブがあるからリスクをとって挑戦するんだ」という意見が出ました。じゃあ、ということで「皆さん、失敗したらクビになりますか?」と聞くと「いいえ」。じゃあ挑戦したらいいじゃないですか、と聞くと苦笑いが返ってきました。
何をもって寛容かというのはあると思いますが、結構日本の大企業は失敗に寛容ではないかというのが個人的な意見です。それなのに、いつの間にか失敗をしたらイケナイ、人生終わりだ、みたいな思い込みが蔓延してしまってすくみこんでいるのが現状のような気がします。