【徹底図解】グーグルが実践、「偏見」を乗り越える4つの法則
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アメリカに来てから、この無意識のバイアスについて私自身もとても考えるようになりました。目に見えないものを、データで見てみると、ストンと腑落ちする部分があります。
人種が多様なアメリカではジェンダーに加えて、人種、年齢といったことも大きなバイアスがかかるとして企業の研修が進んでいます。この記事を書くにあたって調べた、面白い研究をもう一つ。
アメリカでは強度と関係なく、ハリケーンに男性と女性の名前をあらかじめつけています。ハリケーンカトリーナ、ハリケーンチャーリーなどです。
ところが女性の名前をつけたハリケーンの方が死者が3倍になるのです!なぜでしょうか?たまたま女性の名前をつけたハリケーンが強かったから???
研究によると、女性の名前がより弱く凶暴性が低く温かみを感じさせることから、人々が脅威を感じないことが理由だとしています。
(論文:https://www.pnas.org/doi/10.1073/pnas.1402786111)
男性の名前を聞くと「攻撃的、危険」というバイアスが働き、人々が身構えるのというのです。グーグルの研修でも似たような実験が紹介されています。
無意識のバイアスを完全に取り除くことはできなくても、バイアスを取り除いて誰もが気持ちよくパフォーマンスできる企業、社会を作ることはできると信じています。そこには、一人一人の努力が必要なのだと強く感じます。
取材では、日本でも熱心にアンコンシャスバイアスの研修を行っているメルカリにもお話を聞きました。無料でガイドなどを公開しているので、チームや企業でも使える資料ではないかと思っています。
メルカリ アンコンシャス・バイアスガイド:https://about.mercari.com/press/news/articles/20210225_unconsciousbiasworkshop/
グーグル日本語ガイド
https://rework.withgoogle.com/jp/guides/unbiasing-raise-awareness/steps/introduction/昔一緒に働いていたBrian Welle氏の名前がでてきて懐かしく思いました!
グーグルはバイアスをできる限り撤廃することにかなりのプライオリティを置いており、面接官向けの研修プログラムを私が作った際も、スライドのレビューをした internal commsチームにアイコンや人物画像が特定のジェンダーや人種にならないように、disabilityを持つやその他全てのマイノリティへも配慮した構成になっているように、と細かく指摘されました。
あるべき像を掲げるだけでなく、日々の業務やプロセスひとつひとつにもそのビジョンが反映されているかを徹底する実行力がすごいと感じます。テキサス時代に息子たちを見て、なぜそう思うのかが全くわからないけれど、本人たちはそう思っているということはよくありました。
バイアスは全てアンコンシャスと考えている私としては4つ目の「一番目と同じくらい重要で取り組みやすいのが最後の項目だ」という指摘はちょっとバイアスを甘く考えているというのでは印象です。「自分が気をつけているつもり」がバイアスの源なので。あのカーネマン教授ですら自分ではわからないと言っているくらいです。他人(またはAI)に指摘してもらう機会を増やすことこそ、バイアスに気づく最も重要な対応と個人的には考えています。
ちなみに、ハリケーンは「名づける」のではなく、もう長い長い名前リストがあって(申し込むらしい)、自動的につくのだとテキサス時代に聞いたことがあります。