200万ダウンロード超えの防災アプリ「特務機関NERV」 気象庁職員が「ここまで使えるのはほかにない」と認める“最強の災害情報インフラ”誕生秘話
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注目のコメント
私もこのアプリはダウンロードし、Twitterでもチェックしています。が、私が個人的に普段使うのは気象庁ホームページだったり、ウェザーニューズやtenki.jpだったりということが多いんですね。
でも、谷村さんの、
「どんな雨雲があるのか、何分後に来るのか、などといった情報にこだわるよりも、まずはシンプルに気象庁が発表した情報をPUSH型で知らせてくれるアプリがあれば十分だったのだ、というところに、気象マニアの想像力の限界がある」というコメントを拝見して「なるほど! 確かにそうかもしれない」と目から鱗でした。災害の多い日本ですが、災害の多さや激しさ=犠牲者ではありません。防災情報が皆に浸透し、そこから自分で身を守る行動ができることに意味があると思います。
記事からは、アプリ開発に携わった皆さんの熱い思いが伝わってきました。そして、このアプリに注目して開発者たちに取材し、多くの人に伝えてくれた著者にも頭が下がります。このアプリは自分も入れていますが、ここまで通知機能について充実しているアプリは現時点ではほかに思いつきません。気象に詳しい人間の場合、もともと自分から種々の情報を取りに行く習性を持っていることもあり、アプリを作るにしても「どの程度をもって通知してほしいか、ユーザーごとにニーズが違う」などといって通知について軽視しがちなところがあります(雨雲にしてもどの程度のものが発生していたら、また到達する何分前に通知してほしいのか、など技術的に深いところへの議論に行きがちです)。
ところがこのアプリは、気象警報や注意報、地震情報など、気象庁から現在地や指定地域へ出された情報を淡々と流してくれます。どんな雨雲があるのか、何分後に来るのか、などといった情報にこだわるよりも、まずはシンプルに気象庁が発表した情報をPUSH型で知らせてくれるアプリがあれば十分だったのだ、というところに、気象マニアの想像力の限界があるように思いましたし、アプリ作成における純粋な思いが込められているように感じました(蛇足ながら雨雲レーダーの動画も軽量で見やすく作られています)。
話は変わりますが、日本の気象庁は世界の気象機関の中でもトップクラスに様々なコンテンツを提供してくれています。雨雲のレーダー画像や衛星写真だけではなく、リアルタイムの気象観測データが10分毎に手に入ったり、キキクルという災害の危険度分布をメッシュで提供してくれたり、線状降水帯に関する情報を提供してくれたりもします。惜しいのは、この情報が必要な人にきちんと届いていないことです。
災害が起こりそうなときに気象庁のサイトにアクセスしてくれる人は、すでに十分リテラシーが高いとすら言える状況で、そういう人でさえ目的の情報に的確にたどり着くにはそれなりに慣れが必要なサイトとなっています。
ところがアプリで必要な情報が通知されれば、それだけで人々に判断を促すことができ、十分な効果があるので、気象庁が抱える悩みを見事に解決してみせたのがこのアプリというわけです。
広告がないことから運営は赤字であることが容易に想像され、その点が心配なのですが、何とかうまくマネタイズして続いていってほしいアプリです。