【必修】4つの視点でわかる「日本の男女格差」のイマ
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注目のコメント
先行研究でも明らかになっていますが、日本の女性の離職理由は実は「出産や子育て」ではなく、「やりがいのある仕事をさせてもらっていない」こと(保育環境が整っていないアメリカなどはむしろ「出産・子育て」が離職理由の第1位)。退職時期がたまたま育休復帰後だったりするので、出産理由とされてしまいがちですし、本人も会社にはそう伝えているのかもしれません。
ですが、育休から復帰した途端、戦力外とみなされ、やりがいのある仕事、重要な仕事から外され、キャリアが停滞しまい、「何のためにここまで大変な思いをして働いているのか」とキャリア迷子になってしまう方が実は離職理由としては大きいのです。
そして一旦離職した女性たちはなかなか正社員として再就職がかなわず、非正規社員化していまい、賃金も抑えられてしまう。
これも先日発表された21世紀職業財団の調査で、出産後も自身のキャリアを前向きに捉えている女性たちは、若いうちに「一皮剝ける仕事をしている」率が高いということも明らかになっています。日本のダイバーシティ経営が両立支援制度や職場環境の整備だけで止まっていると、なかなかジェンダー不平等は解消されないと思います。記事内で言及されていた「なでしこ銘柄」が中長期でアウトパフォームしている事実に対して思うところをコメントさせて頂きます。
仕事上、企業内部の現状分析を行う際に、男女、正規・非正規雇用関係なく、それなりの人数に個別にヒアリングをさせていただくことがあります。
その際に、企業の実態を把握し、改善策を見つけるヒントを与えてくれるのは、面白いことに、圧倒的に女性の意見が多いのです(ついでに申し上げると、正規・非正規関係なくです)。
私自身は、男性も女性も、もしくは性別は関係なく、それぞれが持つ得手や特性を活かし、目指すべき大きなゴールのために各々が最大限力を発揮することが、企業や社会の価値の最大化に繋がると信じています。それゆえ、男性はこう、女性はこうという固定概念は好きではありませんが、これは、あくまでも実際のファクトです。
もちろん、優秀な男性の方は多いのですが、男性は組織を重んじ、自分が所属する部署と自分の立場を守るために、本当は分かっていても、核心に触れることを避ける傾向があるのに対し、女性は、会社や組織が良くなって欲しい、お客様の立場であるべき姿はこうだと、自分の立場よりも全体最適の視点で発言される傾向があるように感じられます。
こういうのを見るにつけ、女性がバランス良くポジションを取られている組織は、お客様に対しての全体最適が図られていることが多く、それが他を上回る成長に繋がる一因となっているのではないかと常々感じております。今まで読んだどのD&I関連の記事よりも、「そうそう」という共感と、「知らなかった!」という気付きがいっぱいの素晴らしい内容でした…
その中でも特に何点か:
① コンサルタントとして「イノベーティブな新規事業を考えたい」というご相談はよく頂きます。(もはや古ささえ感じる)デザインシンキングのワークショップなどをよく活用するのですが、その際にクライアントに伝えることは「出来るだけ異なる部署、属性の皆さんに参加して頂いて下さい」です。
そうしないと、同じような視点でしかアイデアが生まれないからです。実際これまで50回以上のワークショップをファシリテーションしてきましたが、最も面白いアイデアが出たのは、性別・年齢・職種・新卒/中途、などがうまく混ざり合った回でした。
② 「女性のモチベーションが年齢とともに低下する」という点については、これまた仕事柄、多くの日系企業の皆様とお仕事させて頂くケースは多いのですが、多くの企業で、まだまだ「女性が議事録書いといて」とか「お茶出して」という場面に何度も遭遇しました…役職とかではなく末席に座る、という女性も多かったですね…
新卒でやる気に溢れて入社した会社で、このような扱いを受け続けていると、きっとどんどんディモチしてしまうだろうなぁ…と思っています。これは制度を整えればいいとかいう問題ではなく、一緒に働くメンバーの意識の問題です。早急に変えていかなくてはいけません。
③ 「離職理由は、家庭より仕事への不満」これも驚きでした。
子供がいる女性に、「良かれと思って/気を遣って」重要な仕事を振らない、というのはよく聞く話ですが、これはもう私は「冷たい」とか「諦めている」という訳ではなく、「他人の気持ちなんてわからないんだから、ちゃんと相手の希望を聞いてから決めようよ、対話しようよ」と思います。
「子育て中だから仕事をセーブしたい」という方もいらっしゃるでしょうし、「変わらずバリバリ働きたい」という方もいるでしょう。とくにかく「対話」すること。分かった気になったり、察して欲しい、ではダメだと思うのです。
いよいよ明日は国際女性デーです。改めてFact、数字で見ると、見えてくる世界が変わります。皆さんと一緒により良い社会に変えていきたいと願うばかりです。