ディズニー、住宅コミュニティーを全米で開発へ-第1弾は加州で
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アメリカの場合、既にゴルフ場などと一体化したGated Communityなどは一般的だし、大型のテーマパーク系モールなども多くあるしで、Disneyが生活体験プラットフォームになっていく中、もう必然だよねという感想しか出てこないです。
あとはDisneyがどこまで積極的なコンテンツを載せてくるのかですね。ここで面白いのは、Gatedということが、必ずしもフェンスとゲートによる物理的な境界である必然性がなくなってくるという点。もちろんステータスや不動産価値、世界観の統一という意味では相応に物理的な領域性は重要で、かつかなりの効果を持つわけですが、同時にDisneyが提供できるコンテンツや体験価値を考えると、その主体は編集可能な体験の選択肢の提供であって、物理的境界を越えて染み出していっても何も問題はありません。
不動産デベロッパーの提供する価値がハードとしての建物や床だけでなく、むしろその上で提供するサービスネットワークと技術プラットフォームに移行していく中、今回の動きもサービス側からの不動産への逆展開と考えると、むしろDisneyは最初から敷地の外への展開可能性を念頭に、その基礎実験としてこうしたプロジェクトを考えていると見るべきです。今後は地域コミュニティの基盤をDisneyやEpic Gamesのようなプラットフォーマーが、不動産デベとタッグを組みながら担っていくという形が見えてきます。
あと一つ、この記事で面白いのは高齢者向け区画を必ず一定量設けるという宣言の部分。こちら、欧米での特にハイエンド向け再開発では主流になりつつある、地域の社会的多様性を担保するために、年齢や収入レベルでのいわゆる弱者向け住宅を一定量組み込むことを義務化するという傾向の一つとして注目するべきで、社会全体のエシカルな視点がこうした開発の義務や価値、貢献の形として一般化していく一つの流れでもあると思います。
日本ではこうしたハイエンド向け高付加価値開発は、まだまだ個別のプロダクトとして(物理的にも、社会的にも)閉じたマーケティングと設えとして扱われているのが現状で、民間側の視点としても、法的な観点からも、こうした多様なダイバーシティや離散化への投資や試行、もっとなされるべきだと思っています。プレスリリース文と紹介動画を見ながら、どのような暮らしになるか、ビジネスモデルとしてはどうかを想像していました。
トレーニングを受けたディズニーのスタッフがサービスを提供するとあり、「住・くらし・労働」という生活全体を支えるハード×ソフト両輪でのサービス提供ということで、相当な「サブスク型のメンバーシップ料金」が求められそうです。加州で行うというのも、所縁の地である他に、そのような理由もあるのではと想像されます。
Woven Cityのようにテクノロジーに軸足を置くのか、それとも、シニア向け介護・医療・エンタメ施設付き高級老人ホームの派生形になるのか、この先注目です。面白いアイデアですね。米国の記事によると、大型のコミュニティーセンターなどを作り、ディスニーキャスト達によるクッキングクラス、カルチャークラスやアウトドアのアクティビティなど、様々な活動を提供するコミュニティが集う場を作るそうです。
郊外型の街だと、一般的にイメージするのは単なるショッピングモールですが、ディズニーキャストによるコミュニティが集える場というだけで、ワクワクしてきます。
どうしても孤立化しやすい社会を、コミュニティの空間作りということで、人との繋がりを感じるストーリーリビング・タウンというのは、夢があります。第一弾が成功したら、次々と同様のモデルタウンが全米中に生まれる可能性を秘めており、新たなビジネスチャンスですね。