【コラム】ソーシャルメディアは科学と「根本的に対立」している可能性がある
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現在の形式のソーシャルメディアは、事実や道理を提示したり広めたりする目的には根本的に適していないのではないかと論じている。
ユーザーの怒りや意見の相違を収益化するように設計されたソーシャルメディアプラットフォームを、懐疑的な人々を説得するために用いる(たとえば気候変動やワクチンは確立した科学領域では議論の余地はないということ)ことが、生産的な手段であるかどうかには疑問が残る」
「科学に好意的で好奇心旺盛なフォロワーを、科学者のTwitter(ツイッター)フィードやYouTube(ユーチューブ)チャンネルに連れてくるのと同じ営利目的のアルゴリズムツールが、一方では最も緊急に科学を必要としている人たちから、科学者をますます遠ざけることになるだろう」と彼らは書いている。
「その1つは、特にTwitterでは、科学者たちがそれを使って、詳しく議論したり、アイデアを公然と広めたり、支持したり、撃墜したりするのが好きだということです。これらはかつて、科学者たちが黒板を囲んだり、会議をしている時にやっていたことです」と彼はいう。「こうしたことはパンデミック以前から行われていましたが、今ではそのようなやりとりが行われる主要な手段となっています。その問題点は、もちろん、今や永久的な記録が残るようになっているということです。そして、通常の科学の検討過程では当然破棄されるような、一度は提出されたものの間違っていることが判明した仮説のいくつかが、私たちのやっていることを台無しにしようとしている人々によって選ばれてしまうのです」。
そして「2つ目は、素朴すぎるアルゴリズムです。特にFacebookのアルゴリズムは、意見の相違や意見の相違を広める非公式な投稿に非常に高い評価を与えています。たとえば『私の叔父はマスクをして教会に行ったが、新型コロナウイルスに感染した』というような情報も、拡散すれば権威ある情報に勝るものとして扱われることになるでしょう」と彼は続けた。
注目のコメント
アルゴリズムに主導権があるため、利用者がほしい情報に最適化するのがソーシャルメディア。ソーシャルメディアの「議論」には体系性も客観性も論理性も弱いといういまさらですが、当然の指摘。
フィルタリングバブルの負の側面が説明されています。
自分の考えや主義主張と似た意見しか表示されなくなり、
誤った情報を信じた人には、その情報を強化する情報ばかりが提示されるようになってしまう。
科学を信用していない人には、正確な科学の情報が届かない。
昔は新聞やテレビが、しっかりと情報の裏どりをして、正しい情報を広めていたように、SNSでも裏を取るような仕組みが必要なのではないでしょうか。
有害な情報が広く出回りやすくなるのは、社会の混乱を招きます。勿論、言論の自由は必要ですが、科学論文のように信頼性に応じて情報をランク付けすると言ったような工夫が必要ではないかと思います。