小田急が破格の「50円」 小児用のIC運賃 子育て世代の呼び水「沿線に移り住んで」
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日本の私鉄経営の歴史は、明治期の阪急の宝塚ファミリーランド(の前身の温泉地)以来、沿線開発で利用者を増やし、運賃収入を上げていくのが方程式でした。郊外の沿線に住宅地を開発し、大型商業施設をつくって、定住人口や交流人口を生み出し……という流れは今も大きくは変わっていません。
人口増の時代はそこに大きな需要もありましたが、これからはそうもいきません。鉄道各社が「住みやすい街づくり、地域づくり」というソフト面を重点施策に打ち出す流れが最近、強まっています。東急は国際イニシアチブ「RE100」に加盟、京王は「沿線価値創造部」という部署を持っていますが、どこも控えめというか、積極的なアピールをしている様子がありません。そこに来て小田急のこの非常にインパクトが強い施策。各社が「提供価値」を積極的に競い合う時代が来るかも知れません。成否はまだわかりませんが、このトライアルはセンスがいいと思います。高齢化、人口減少、リモートワークの普及は、新しい人口移動を起こしつつあります。沿線の土地を再開発して宅地に変えてマイホームを求める若い夫婦を呼び込むーーといった昭和の幸せな家族観に基づいた戦略が通用しない時代、子育てに魅力的な鉄道というブランドは面白いと思います。私も定期券のない暮らしになって驚いたのは交通費の高さでした。大手町までこんなに高かったのか、と気づく有様です。子どもがゲーム感覚で楽しめる素敵なポイントなどが絡めることも考えられます。50円をレバレッジに5000万円のマンションを求める利用客を呼び込めるかも知れません。
小田急電鉄は3月12日から小児IC運賃を全区間一律50円に下げます。本記事では、全国初となる破格の値下げを決めた背景がまとめられています。
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・鉄道業界に衝撃、小田急「小児IC運賃50円」の勝算
(東洋経済オンライン・2021年11月22日)
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(鉄道コム・2021年11月08日)